故障したミュートロン【MU-TRON Ⅲの修理-1】

古いミュートロンをお預かりしました。 エフェクトがかからない状態です。

エフェクトがかからないミュートロン

本体を解体してから電源の不良が見つかったらがっかりなので、電源アダプターからチェックしました。 きちんと電圧が来ています。プラスマイナス9ボルトの仕様です。 だから電池で駆動するときは2個いるのですね。

のちに9ボルト仕様に変更になったそうですが。

電源をチェックする

音が出るけれどもエフェクトがかからないというのはやっかいです。 ネットで見つけた回路図によると、エンベロープ信号を使ってアナログフォトカプラでフィルタを制御しています。

そういった今使われていない部品が故障していた場合、修理が非常に困難になります。 LEDとCDSを使って部品から自作することになるでしょう。

スイッチの故障などであることを祈ってテスターで点検するのですが、スイッチは全て正常に動いています。

スイッチ機構をチェック

そこで基板の異常を発見しました。 おそらく電池から漏れた液体がかかって腐食したようです。 銅箔パターンが緑青になってしまっています。 ここの両端で導通がありません。

腐食している基板パターン

ドレメルで削って掘り起こしてみました。 ここに銅箔テープで作った新しいパターンをはわせてハンダでバイパスを通しました。

パターンが切れている

借り物の回路図で申し訳ないですが、断線していたのはピンセットの先の部分。 まさしく制御系の要所です。 回路図で「?」と書かれているのがフォトカプラです。そのLEDをドライブするオペアンプに届けるエンベロープ信号が届いていませんでした。

断線箇所

動作するようになりましたけど、飛び道具すぎて直っているのか心配になるエフェクターですね(笑) お客さんに判断してもらいましょう。

今回見てみて分かったことやミュートロン回路の解説を次回書いてみようと思います☆