初段のアンプを疑う【MU-TRONⅢの修理-10】

故障の原因が見極められず預かりっぱなしになっているミュートロンです。 そろそろ決着を付けようと1日がかりで調べて考え倒しました。

いろいろいじってみるものの、アップドライブ(強く弾くとフィルター周波数が上がる)のときに音が歪むのと、フィルターが上がったまま下がらなくなる現象がとまりません。 理想ダイオード部のオペアンプに対する発振止めだけでは完全に止まっていませんでした。

どうも初段のアンプが怪しい気がしてきました。 インプットゲインをいじるとフィルターが動いたり止まったり不安定ですし、ツマミがある領域を超えると「パッ」と小さな音がします。

オペアンプの故障もあり得ます。 あるいは発振の可能性もあります。

初段のアンプには10pFの発振止め(赤丸)が付いています。 これが効いていない可能性がありますね。 黄色で囲んだ部分、ステートバリアブルフィルタ部の初段には発振止めがありません。 このあたりも手当を考えましょう。

初段のアンプが発振していいる可能性

青い○が10pFのコンデンサ。 少し遠回りしています。 ICのすぐそばに付けてみるという実験は必要です。

発振止めのセラミックコンデンサ

デカップリングコンデンサに容量の大きいものがないのも気になります。 LEDを点滅させるような電流量の多い動作をしている制御系とフィルター系が同じ電源を利用しているのに干渉を切り離すものがないという構造です。

デカップリングコンデンサ部

信号経路に使われている電解コンデンサはアース電位どうしの間に入っているのですが、なぜか極性があるものが使われていて、2個使う電池の電圧差や、オペアンプの性能の総合で微妙にプラスかマイナスの電位差が生まれるのですが、今はほんの少し逆電圧がかかっています。

電界コンデンサに逆電圧がかかっている

赤い○をつけたところですが、これらのコンデンサの劣化や充放電時に起こるICへの影響が関係している可能性もあります。

回路図上の電界コンデンサ

青い○を付けた出力コンデンサだけがなぜかバイポーラ(無極性)が使われています。

もうコンデンサも半導体も信用できないので、秋葉原で部品を調達して順番に交換していきつつなんとか原因を突き止めましょう。 迷宮入りになるか、mu-tronⅢ修理名人になるか・・・。