この本を読みました

休日を利用して気になっていた本を読みました。

ケーキの切れない非行少年達

IQ70~84の人達は、学校や社会での生活を営む上で明らかに困難を抱えていると思われるにもかかわらず、制度上いまのところ適切なサポートが受けられていません。

小学校の35人クラスで、成績が下から5人に相当する彼ら彼女らは、小学校2年生のころから学力上の問題に直面します。 周囲の大人たちが気づいてあげられないことも多く、ときによっては社会がそれを発見するのは裁判所や少年院・・・という悲しいことが頻繁に起こっているようです。

根本的に不足している認知機能をトレーニングして、それを元に基礎学力を身につけて、見たり聞いたり考えたりすることで自分と人を理解できるようになる。 そこまできて初めて認知行動療法の効果が生まれて、更生に向けた気づきに結びつくそうです。

知能指数や運動能力は、釣り鐘曲線を描く集合グラフで表されて、誰しもが確率の問題でそのグラフのどこかに位置するはずですよね。

何かのパラメータが平均よりロースコアであっても恥ずかしいことではないですし、不得意なことについて基礎からトレーニングする方法があるなら、社会に出た大人も含めて誰でも受けられるようになるといいですね。

私は学生時代に牛丼屋さんでアルバイトしていました。 肉盛りチャンピオンには簡単になれましたが、カウンターの才能が全くありませんでした。 模範従業員に選ばれるほど接客態度はいつも褒められたのですが、どうにも数がさばけないのです。

肉鍋に向き合って精密・迅速な作業をするのはできたのですが、自分がカウンターの中でクルクルと方向を変えながら、自分を取り囲むお客さまの情報を高速処理していくということが苦手なのです。

このことは「工房での作業はできるけれど、ローディとしてはなかなか成長しない」ということとリンクしていて、結果的に今の仕事のスタイルを決めることにつながりました。

人間誰しもバランス良くなんでもできるようになるわけではなくて、自分で思っている以上に、いびつに成長した結果なのでしょう。 本を読んで、そんなことを考えました。