分解とチェック【エースフレーリーモデルのピックアップ交換-1】

エースフレーリーモデルのレスポールをお預かりしました。 リアピックアップを交換することになっています。 ついでにいろいろと不具合を取り除いていこうと思います。

エースフレーリーモデル

6弦側の12フレット~がビリつきます。 将来的なハイポジションの順反りを見越してハイフレットを多めに落とすすり合わせをしているようなのですが、14フレットくらいにハッキリとしたピークがあって、それが悪さをしているように見えるのですり合わせでなだらかにつなぎたいです。 フレットが浮いているわけではなさそうです。

ハイポジションにビリ付きがある

チューニングの際に、1~3弦のナットがキコキコ鳴るのがきになるそうです。 預かってみると、そこまでひどい症状ではないので様子をみます。

ナット部

というのが、ナットの上面が低く削られていて、結果的に溝が浅めなのです。 ヘッド側は弦が浮いていて、点で支えられています。 こういう状態が理想だという考えもあるのかもしれませんが、弦の振動がヘッド側に逃げるような共鳴の仕方をすることが多いので、技術者によって流派の分かれるところではないでしょうか。

ナット部

コントロール部分です。 スイッチを真ん中にすると、リアとセンターのミックスが出るような回路になっています。

コントロール部分

配線はこんな感じになっています。 菱形の金属プレートが入っているタイプですね。 ちなみに、裏蓋がきつくて外せないので、ジャックの穴から指を入れて内側から押し開けました。

配線

ジャックはファサファサいっているので磨いてみます。 ダメそうなら交換します。 シールドとの相性もあるかも知れないのでもう1本ケーブルを変えてみてからどうするか考えます。

ジャック

スイッチ部分です。 ウエハの多いスイッチが使われます。

スイッチ周りの配線

以前、人に頼まれて描いた配線図が出てきました。 スイッチの形状が違いますが、およそこれですね。 ミドルピックアップがスイッチを経由してブリッジ側のボリュームに入るというのがポイントですね。 他は普通のレスポールと同じです。

配線図

配線をバラしました。 キャビティには導電塗料を塗ります。 木工が毛羽だったままになっているので、少し研磨しましょう。

コントロールキャビティ

ピックアップキャビティはこんな感じです。 ここも少し掃除してから導電塗料を塗ります。 ピックアップを外した方がすり合わせもしやすいですね。

ピックアップキャビティ

スイッチキャビティです。 裏パネル類をアルミシールでシールドしておきましょう。

スイッチキャビティ

というわけで、こんな感じで進めていきます。