配線から【PGMの3TSBジャズベのメンテナンス-1】

PGMをお預かりしました。 リアルセルロイドピックガードに交換します。 その他配線なども見ていきましょう。

PGMの3TSBジャズベ

ブッシュは軽度ではありますが浮きがあります。 ペグは良い位置に取り付けられているので、シンプルに経年変化という感じです。

ヘッド部

配線はオリジナルではない部分があります。

元の配線

導電塗料へのアース接続のためにアルミシールが貼られていますが表面に導通がないのであまり役に立っていません。 ポットがこすれてめくれているところからつながっていた可能性がありますね。

アルミシート

アース線が外れたままになっています。 ボリュームを交換したときに忘れたのではないでしょうか。

弦アースが外れている

導電塗料は1センチメートル間隔で計測して1kΩ近くあります。 塗り重ねると30Ωくらいまで下がるので、もう1回塗り足しましょう。

導電塗料が薄い

ピックアップはヴァンザント。 8kΩくらいの直流抵抗値が計測されます。

外したピックアップ

コイルの外径と抵抗値からエナメル皮膜線のAWG42ゲージではないでしょうか。 オーソドックスな60年代JBのレプリカといったコンセプトのピックアップだと思います。

ピックアップ

ピックアップを外しました。 クッションが足されています。 リアももう少し上げたいので、クッションを両方交換します。

ピックアップキャビティ

クッションの粘着テープで導電塗料が結構剥がれてしまったので、ここは2回塗り重ねましょう。

分解した

配線を分解していきます。 トーンだけロックワッシャーが重なっています。 こちらがオリジナルではないでしょうか。

ボリュームが変わっている

トーンは8ミリ軸、ボリュームは3/8インチ軸です。

トーンだけミリ

コントロールパネルの穴はボリュームの方だけ拡げられてあります。 と言うことはボリュームを交換したようですね。 今回は全部インチ仕様にそろえます。

穴を拡げてある

コントロールパネルは新しい部品を使ってこんな感じにしました。 アース線が省略されていたのですが、ポットが緩んだときにボリュームやトーンが効かなくなったり音が出なくなったりしますので、黒のアース線を追加しました。

配線し直した

金属製のノブを使うので、回転時に人体がアースされたり浮き上がったりしてファサファサいうのを押さえる目的で導電性グリスを塗布しておきます。 CTSポットは中に黒いカーボンのグリスが塗ってあるので要らないかも知れません。

導電性グリスを塗っておく

ピックガードのねじ穴は合わないので全部一度埋めます。

ネジ穴を埋めた

導電塗料を塗っていきます。

導電塗料を塗る

ロゴシールが貼られている部分はせっかくなのでマスキングしておきます。

ロゴシールはマスキングした