初期型スティングレイをお持ちのお客さんが、勉強のために基板を見せてくれました。
おそらく時系列的には隠蔽有り・セラコン・タンタル電解・出力保護抵抗なし→隠蔽無し・セラコン・タンタル電解・出力保護抵抗なし→隠蔽無し・セラコン・アルミ電解・出力保護抵抗有りと変化していったのだと思うのですが、これは隠蔽有り・フィルムコン・アルミ電解・出力保護抵抗無しです。
おそらくですが一番初期の基板ではないでしょうか?
位相補償の120pFと、トレブルの500pFの2カ所はスチロールコンデンサのようです。
出力保護抵抗は本来、オペアンプの出力のすぐ近くに入れるのが良いとされているようですが、基板に入れ忘れたためにジャックの直前に外付けされています。
これがないと、シールドのコンデンサ成分とオペアンプの出力がショートしてしまって、条件によって容量性負荷発振します。 具体的には、ボリュームをフルにしてシールドをさすと歪みつつ音量が下がってしまって、一瞬ボリュームを絞ると調子よく動く、みたいなことがよく起こります。
今回見せてもらったスティングレイはこの抵抗が入っていませんが発振していません。 タンタル電解とアルミ電解でESR(等価直列抵抗)が一桁くらい違うようですから、アルミ電解であることで容量負荷と出力が分離されているのかもしれません。 タンタルに仕様変更したことで発振トラブルが頻発して、アルミ電解に戻しつつ保護抵抗も入れたという時系列かも知れませんね。
持ち主曰く、「同じスティングレイでも音が違う」とのことなので好きな人にとっては繊細なものなのですね。 セラミックコンデンサとフィルムコンデンサでは経年劣化の仕方も違うと思うので、時を経てイコライザーの周波数特性が変わってきているのかも知れません。
反転バッファ付きの基板を考え中です。
これはアルミ電解とフィルムコンデンサで作りましょう。