音が出なくなるときがある【tak matsumotoモデルの配線修理】

TAKモデルです。 たまにネック側ピックアップの音が出なくなるそうです。

歪ましていると少し音がもれ出たりもするそうで、ピックアップのコイルワイヤが端末で絶縁を起こしたときににているのですが、スイッチを切り替えていると直るというのでスイッチ周りのような気がします。

スイッチの調子がおかしい

スイッチ周りの配線を外してみました。 一度スイッチをバラバラに分解もしてみましたが原因が分かりません。

スイッチの取りつけ穴がキャビティに対してずれていて、ハンダ付け端子が壁面に押しつけられていたので少し曲げたりしてハンダ付けをし直しました。

一度分解してみる

配線をやり直した状態がこちら。 この状態で一週間様子を見ました。

症状が出た

お返しする前にあれこれいじくっていたら、症状が出ました。 ただし今回はブリッジ側ピックアップで出ました。 ハンダをやり直すときにグラウンド線の取り回しをスイッチの6弦側から1弦側に変えたのですが、そのことと関係ありそうです。

ちなみに音切れ時には出力線を触ってもブーブーいいません。 これはオープン(出力ラインのどこかが絶縁している)ではなくショート(出力ラインのどこかでアース電位と接触している)だというヒントです。

スイッチのアース端子にシールド線の編み線が使われているのですが、その絶縁チューブが甘くて、スイッチ端子の可動部分にあたっています。

アースがスイッチにショートしている

というわけで配線ごと交換しようと思います。 網線はポット側でアースしてしまえばシールド効果を得られるので、スイッチキャビティ側は切り取って絶縁してしまいます。 この銀色を切ります。

この線を切る

4芯線を使って緑の線をアースとして片側をポットの背中に、もう片側をスイッチのアース端子につなぎます。 ここは電位をつなぐだけで、電流は流れません。

緑でアースを取った

と、ここまで作業していて気がつきました。 ギブソンが使っていたオリジナルの配線材も4シールド線です。 せっかく絶縁皮膜がしっかりしている緑があるのにその緑を切ってしまっていますね。

それならそれでしっかり絶縁チューブ(クリーム色の)をかけてくれればトラブルがないのですがそこは隙間があいてしまうようです。

よく見たら緑が切られている

スイッチキャビティの配線が終わったところ。

スイッチ側の配線

コントロールキャビティはこんな感じ。

コントロールキャビティ

これでバッチリ音が出るはずです。 もしかしたら同ロットで生産されたTAKモデルで同じような「スイッチを切り替えたら音が出ないときがある」症状に悩まされている方がおられる可能性もあります。 もしお困りでしたらこちらのメールフォームから御相談下さい。