いろいろ試します【MU-TRONⅢの修理-8】

デカップリングコンデンサが劣化した可能性から探っていきましょう。 小容量0.1μFがプラス電源とマイナス電源にそれぞれ2カ所入っているだけですね。 LEDをつけたり消したりするのですから、1~10μFの電界コンデンサも有って良いような気がしますが。

デカップリングコンデンサ

ここに使われている普通のセラコンはどうか分からないのですが、積層セラミックは10年1割近く容量が抜けることがあるらしいので(その次は100年・1000年で同じくらい抜けるらしい)、その対処法である「もう一度加熱する」を試してみました。 しかし、これでは特に変化無し。

ハンダを当て直す

容量性負荷発振に強いICに交換してみましたがこれも効果無し。

違うICを試してみる

理想ダイオード回路の反転入力と出力にセラコンをバイパスするのが一番効果があったのでチップコンデンサを持ってきました。

セラコン47pF

高周波は基板パターンのインダクタンスにも影響を受けるはずで、このループは小さい方が良いので、セラコンをICの足に直接ハンダ付けします。 あまり時間をかけると熱でICが壊れるので、腕に覚えがある人以外は真似してはいけません。 何度のハンダごてで何秒まで耐えられるかは各オペアンプのデータシートを見ましょう。

コンデンサを取りつける

無信号時に200kΩまで下がるように改善されました。

抵抗値が正常に動いている

無信号時にLEDに逆電圧が8ボルトかかる問題ですが、逆方向にダイオードを付けてみます。 シミュレート上では僅かな電流しか流れないので保護ダイオードが燃えることもないと思われるのですが、一応電流計を付けてチェックします。

オペアンプが吸い込める範囲内の電流であるかも大事なところ。

逆電圧に手当をしてみる

保護ダイオードの順方向電圧くらいまで下がりました。

許容範囲な逆電圧

で、これで動くかと思われたのですが、ものすごく動作が不安定で、ダウンモードがギリギリピャウピャウいっていて、アップモードはディストーションのように歪みつつ、ピャウピャウいいません。

直らない

モードスイッチがそんな効き方をするはずがないので、何が起こっているのかもう少し調べましょう。