私に起こったパニック発作と思われるものを分かりやすく例えるとそれは、「会社のお金を2億円くらい使い込んだ経理部の職員が、経営陣の待つ会議室に呼び出されたときの人生最大のピンチ感」みたいなものでした。
心臓が凍るように縮こまって、意識が遠のくような早い動悸が止まらなくなります。 血の気の引いた真っ白な指が、目で見てどうにか分かるくらいの振れ幅で小刻みに震えます。
5日はこれが1日の間に30回くらい繰り返し起こりました。
発作が起こるのは、決まって仕事にまつわることを考えたときでした。
ですから、食卓の上に開いたノートパソコンからは、もはや「殺人ハートブレイク光線」か何かが放たれているとしか思えないような状況になりました。
その光線の被曝時間をなんとか最短に抑えるため、座っては逃げ、また座っては逃げを繰り返しながら、お客さま各位へ、あらかじめスマホで作文した「お断りメール」をひたすら連射しました。
かつて自分で頑張って掘ったはずの「無限にお仕事が湧き出てくる泉」をお札やら魔法陣やらで完全に封印し終わり、やがてOutlook泉が放っていた妖しい光が鎮まると、急に発作が起こりにくくなり、一晩グッスリと眠ったらHPとMPが回復しはじめました。