ヘッドホンアンプ作り

定休日を利用してヘッドホンアンプを作ることにしました。 海洋堂の社長が言うところの「模型の疲れは模型で癒やせ」です。 セラピーとしてのDIYですね。

どうしても試作してみたい回路図ができてしまったので、手持ちの部品だけで作ります。

プリアンプ部分にはトライオーダライザーと呼ばれている、三極管特性に似せる工夫をしたFET増幅段を付けて二次高調波の付与を試みつつ、パワーアンプ部分はホイートストンブリッジに閉じ込めた高出力電流オペアンプを高精度オペアンプの帰還ループに入れたものになります。

基板の図ができてしまうと作りたくなってしまいますね。

基板の実体配線図

ケースだけはキャンドゥで買ってきました。 書いてあることは相変わらず分かりません。 最初「FAKE」のところを「FREAK」に空目したのですが、そっちの方が良いこと言っていますね。

HPAのケース(キャンドゥ)

コンデンサは実験用に持っていたものや、ジャンク屋さんで一袋いくらで買ってきた物を使います。 出力や電源に使うつもりの1000μFの電解には0.1μFのフィルムコンデンサを並列に入れて性能の向上を期待します。 漏れ電流だけ気をつけましょう。

ジャンク箱から出てきたコンデンサ類

自作するときにはエッチング基板ではなくハトメを使いたくなります。

ハトメなど

オペアンプはオーディオ用も持っているのですが、あえて4558(エフェクターでよく使われるもの)の帰還ループに、ホイートストンブリッジに閉じ込めた4556(出力改良版で70mAも取れる)を入れます。 4558を後々49720とかに交換すれば良いのではないでしょうか。

3本足の部品はJFETです。 これを真空管特性にして増幅段に使います。 今回はFETに帰還はかけませんが、FETの出力にホイートストンブリッジに閉じ込めたオペアンプを直接つないでFETに帰還をかけるのもいつかやってみたいですね(ネットに作例が見当たらないのですが動きそうだし、動けばそれで良い音がしそうです)。

半導体類

ジャック類もジャンク箱から未使用品・使用品がいろいろでてきました。

ジャックやスイッチなど

LEDは緑がありました。 夜になると暖かい色にぼんやり光るアンプにしたいので、オレンジが欲しいなと思っています。 なのでこの緑は使うかどうか未定。

LED

基板の穴位置を決めるためのテンプレートを作りました。 針で突いておきます。

基板のテンプレート

テンプレートを元に0.8ミリのビットで穴をあけます。 基板はガラスエポキシですかね。 これもずいぶん前に買って残っていたものを使っています。

穴位置を決める

穴のセンターが決まったところがこちら。 プロクソンのミニテーブルソーにダイヤモンドカッターを付けたもので基板を切ります。

穴をあけた

穴の直径を目的の大きさに拡げます。

穴あけが終了

2Φのハトメを使っています。 ハトメを打つ棒はハンズの革工具売り場とかで手に入ります。 下に敷くステンの板があれば、上は圧入機がなくてもハンマーで十分加工できます。

ハトメを打つ

オペアンプもハトメで固定できることに気が付きました。 ずいぶん前に間違って通販したものなのですが、1ミリ径のハトメをオペアンプの裏側から刺してハンダ付けすればOKです。 このハトメは叩いていません。 1000個もあったので使い道があって良かったです(笑)

オペアンプもハトメで固定できる

オペアンプがハトメ基板に取り付けられることに気が付いただけでも、すでにかなり満足です。

オペアンプソケットの固定

ハトメ基板は、こうやってひとつの穴にいくつかの部品の足をまとめてハンダ付けする方式です。

抵抗の取り付け

抵抗は定数を合わせ込みたいので金属皮膜抵抗を100本で買ってありました。 電解コンデンサだけは後でオーディオ用に交換したいと思っています。 違いを聞いてみるためにも、まずは普通の部品から作ります。

 

 

(「FETに帰還はかけませんが」と書いていますが、疑似三極管化がすでにD-G帰還ですね。 出力からグルッと全部に帰還をかけないという意味です。よく考えたらファズフェイスもC-B帰還ですし、XTCTと思われる回路図を見たことがありますが、あれもD-G帰還がありました。たぶんBig Muff πもC-B帰還ですよね。世の中には三極管化した半導体の回路図があふれていますね。)