修理方針を探る【フェンダーメキシコJMの修理-1】

メキシコ製のジャズマスターをお預かりしました。 しばらく弾いていなかったギターのメンテナンスです。 湿度の影響でサビやカビが発生しています。

フェンダーメキシコのジャズマスター

ジャックがさび付いていて音が出せません。 ボリュームが中のポットから回ってしまっていますね。

音が出ない

スイッチがおかしくなっています。 バチーンとリアに切り替わって戻りません。 修理しようとしても手応えが微妙になることがあるので、これだけ錆びているなら交換してしまった方が良いかもしれません。

スイッチが壊れている

持ち主の記憶ではプリセットトーンも調子が悪かったそうです。

プリセットトーン

ネックの状態を直したいので、まずネックを外します。 ボディ側にもネジが効いているパターンですね。 ここのネジはネックにだけ効いて欲しいので、拡げさせてもらいたいですね。

この穴は拡げたい

トラスロッドはほとんどフリーに近い状態でした。 少し締めたら良くなりそうです。 ロッドナットにグリスを塗っておきましょう。

ロッドナットのグリスアップ

ストラップピンが緩かったのですが、ここは締めたら良さそうです。

ストラップピンの増し締め

ピックガードのネジのさびがひどくて、固着しているところが1カ所ありました。 入手しやすいネジは交換してしまいましょう。

ネジが固着している

なんとか音出しチェックがしたいので、配線を丸ごと取り外します。

配線を外す

ボディ側です。 導電塗料がうっすら塗られています。 アースもつながっていますね。 ジャズベとかはリアピックアップキャビティのアースを取っていなかったりするメキシコフェンダーですが、ジャズマスターはキャビティがつながっているので問題なさそうです。

うっすらと導電塗料が塗られている

ボディマウントのピックアップも含めて配線を生け捕りにできました。 なんとか音出しチェックをしましょう。

ピックアップごと外した

フレットはあまり減っていないのですが、しいて言えば浮いているのが気になります。 1弦と6弦で弦高を決めようとすると、フレットの頂点のRがきつい分だけ4弦5弦辺りの弦高が低くなっているのが気になるかも知れません。

フレットが浮いている

今回のご予算もあるでしょうから、どこまで直すのが良いか相談しましょう。 電装系からやって、振動系は次回とするのもひとつの方法ですよね。