今回のバーニーに登載し直した配線は、調べてみたところ本家ギブソンと同じであるようです。
ではなぜバーニーのギターはこんな変な回路になっているのでしょうか。 その部分の解説です。
まずこちらがバーニー配線のボリュームがフルの状態。
Bと書かれたブリッジピックアップは分圧されずに出力されていますし、Mと書かれたミドルピックアップもグラウンドから500kオームが保たれていますので、ブリッジとミドルのハーフトーンが出ます。
こちらがボリュームゼロの状態。 出力がグラウンドとショートするので音が出ません。
問題はこの中間部分です。 ボリュームを2くらいまで上げるとミドルとグラウンドの間にそこそこの抵抗値が出てきます。 これによってミドル・ピックアップの音が出力に出てくるようになります。
しかしこのとき、ブリッジ・ピックアップはボリュームによって分圧されていますので少し小さい音量で混じっていることになります。
つまりスイッチがセンター・ポジションのとき、ブリッジボリュームは「ボリューム」と「ミドルにブリッジを並列で混ぜるバランサー」というふたつの機能を併せ持っていることになります。
0~2ではボリューム。2~10ではバランサーと思って使い分けする回路だったのです。
裏を返すとこれは、トグルスイッチの構造上、ミドル単体を出力することが困難であるということの証明でもあります。 今回そういう配線がないか一生懸命探しましたが、何十年も前にフェルナンデスがやったことの繰り返しであったということになります。
使いやすさで考えれば、今回の改造はとても意味がありますが、かといってフェルナンデスが間違った配線をしているわけではもちろんないということです。
以上ギブソン系3ピックアップ配線バリエーションの研究でした。
この記事は一度公開したのですが、当時のフェルナンデスの仕様に詳しい人から連絡があったので書き直しました。 本家のギターを写真からコピーしていた関係で、配線は本家と違う機種があるようです。 開発担当者がいろいろと工夫を凝らして作ったのでしょうね。
しかも本家ギブソンのミドル・ピックアップは逆位相で、ミドル&ブリッジはフェイズアウトトーンが出るらしいではないですか(笑) 奥が深いですね。