custom wrap around bridgeの取り付け方法【レスポールスペシャルの改造-6】

モントルー製のバダス型ブリッジを装着していきます。 本家より厚みが薄く弦高が下がりやすくて良いです。

モントルー製バダス型ブリッジ

本家は鋳型が壊れたのか製造中止になっていますね。 ですので今から交換する人はこれがオススメです→モントルーサイトの商品ページはこちら

おおよそのブリッジ取り付け位置をスケールから導き出します。

おおよその取り付け位置を出す

このブリッジは、サドルに溝が付いていないので取り付け時に加工が必要です。 さらに難しいことに、絶対と言っていいほどサドルの中央に溝が来ません。

もし仮にサドルの中央を弦が通ると・・・

もし弦を中央にすると

指板上ではこんな感じに弦が左にずれてしまいます。

弦が左による

これは、もともと付いているバーブリッジが、オクターブ・チューニングのために斜めに付いていることに由来します。

斜めに付いているブリッジを下から回り込んで弦が出てくるとき、写真で言う右方向に弦がずれて出てきてしまうのです。それを微調整するために、レスポール・スペシャルのブリッジ・アンカーはあえてずらした位置に打ち込まれているのです。

そのため、バダス型ブリッジに交換したとき、そのずらした分だけサドルの中央から外れたところを弦が通ってしまうのです。

例えばこのくらいずらした位置にすると・・・

実際の溝切り位置

このように左右均等になります。

弦が左右均等に通る

実際には、ネック側、ブリッジ側のピックアップの1弦と6弦ポールピースの位置を考慮して、サドルのピッチよりほんの少し広めに弦の位置を決めています。

ネック側のポールピースのやや内側、ブリッジ側ピックアップのやや外側を通るようにすることでなるべく磁界から外れないように気を遣っているわけです。

なので、サドル上の弦溝の位置は少しずつ均等にずれていきます。これらをご自身で作業されるのは非常に困難だと思われますので、お困りになったら取り付けを御相談下さい。

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各ピックアップのポールピース

実際に弦溝を切って取り付けてみたところです。まだいろいろと仮付けなので、ここからさらに最終調整ですね。

溝を切ったところ


P-90のハムノイズキャンセルについて【レスポールスペシャルの改造-4】

ピックアップの入れ替え作業をしていて気がついたことがあったので書いておきます。

これがトーカイに載っていたアンバーのP-90タイプです。 こうして近づけるとくっつきます。 逆巻き逆磁極になっているので、センター時にハムノイズをキャンセルします。

アンバーP-90

で、こちらがギブソンです。 同磁極なのでくっつきません。 つまりハムノイズをキャンセルしない仕様になっています。

ギブソンP-90

ブリッジ側はN極。

ブリッジ側の磁極

ネック側もN極です。

ネック側の磁極

ちなみにブリッジ側は8.09kΩ。 (直流抵抗値は気温でどんどん変わるので参考ですが)

ブリッジ側の抵抗値

ネック側が8.07kΩ。 おそらくネック側ブリッジ側の違いはなく同じものが付いているということでしょう。 スペシャルの発売当時の仕様は詳しく知りませんがこれがビンテージに忠実ということなのでしょうね。

ネック側の抵抗値

ということは、これを逆巻き逆磁極にすれば、スイッチがセンターの時、レスポール・スペシャルのハムノイズは今より減らすことができるということではないでしょうか。

P-90はシングルコイルであるだけでなく、コイルの形状が平たくてループ・アンテナになって電磁ノイズを受ける面積が広いです。

私が同行させて頂いたWILLPOLISツアーでも会場建物に備え付けられている客電が電磁ノイズを出していて、レスポール・スペシャルがそのノイズを拾うことがありました。 もしかするとピックアップの改造で良くなるかもしれませんね。

もちろん磁力線の流れが変わるので音に影響がないとは言えないわけで、BUMP OF CHICKENのような音作りが極めて繊細な現場ではじっくり試す必要があるとは思います。

配線は分解すればホットとコールドの入れ替えができそうです。 フェンダーのようにポールピースに直接コイルを巻いているわけではないので、コイルの巻きはじめと巻き終わりどちらをホットにしても問題はないと思います。

配線の取り替え

マグネットはワックスでくっついてはいますが、少し力をかければ外れるようなので内と外を入れ替えることで逆磁極にできそうですね。

マグネット