配線作業【Killerのノイズ処理-3】

裏蓋のアルミシートが破れていたので新しく張り替えます。

アルミシールドを貼った

ハムバッカーのシールド線が、必要以上に剥かれています。 ここもノイズの進入口になりますので工夫したいと思います。

シールドを剥がしすぎている

レスポールの配線などに使う単芯シールド線の網線部分だけを取り出して巻き付けました。 アース線と接触するのでこれでシールドできます。

網線を移植した

網線を絶縁しました。

網線の絶縁

シングルコイルピックアップは裏側にハンダ付け箇所があって、導電塗料と接触するとショートして音が出なくなってしまいます。 ですので、導電塗料は一部剥がして、さらにピックアップの下にピックアップと同サイズの絶縁用のシートを挟むことにしました。

ピックアップがショートしないように工夫した

ジャックにつながる線はシールド線にしました。

ジャックにはシールド線を使う

ジャックプレートをネジ止めすると周辺の導電塗料がアースされるようになっています。 ジャック付近からのノイズの進入を防ぎます。

ネジ止めすると導電塗料がアースされる

配線が完了しました。 元の配線の長さが決まっているので、配線を部品の外側に回せなくで中央付近がゴチャッとして見えますが、すべてハンダ付けをやり直してあります。 ネジの3カ所にはスプリングを入れてあります。

配線が完了

スプリングを通じて裏蓋のアルミシートはアースにつながってシールド効果が発揮されるようになっています。 元はゴムチューブが入っていましたから、ここもお預かりした時より改善されています。

スプリングを挟んだ

金属製のノブを付けたボリュームは回したときにバリバリと音が出ることがあります。 これは軸受けの中でシャフトが動くときにノブをつかんでいる人体がアースされたり絶縁されたりを繰り返すことで起こっています。 弦を触った状態ではノイズが消えるのが特徴です。

写真のようなスプリングワッシャーを入れたり導電性グリスをシャフトに塗ったりして完全にアースにつなぐか、樹脂製のノブに交換するかPCI製のサイレントノブ(内部で絶縁された金属ノブ)に交換して完全に絶縁するかをハッキリさせると対策することができます。

スプリングワッシャー

これでノイズ対策が完成しました。

完成

弦を触ったときと触らないときの差がないくらいにはノイズが減りました。


最終チェック【スペクターNS-2Jのプリアンプ修理-10】

発送する前に最終チェックしました。

最終チェック

弦高のバランスが悪いところだけ少しだけ調整して弾きましたが、弾き心地も良いですし、ご機嫌な音がします。

ボディトップがアーチ状になっているので、おそらくコントロールキャビティを手彫りでそれに合わせてあるのです。 そこに銅箔テープを貼るから剥がれやすく、基板とショートしやすいのだと思います。 同じような壊れ方をしているベースがありましたら御相談下さい。


導電塗料の塗布【Killerのノイズ処理-2】

こちらが元々の配線です。 分解していきます。

元の配線

ピックアップを外してみて気が付いたのですが、ピックアップのポールピースをさけるための凹みが作ってあります。 ここに収まっていなかっただけでピックアップは下がります。

ネジが入る穴があいている

これならジョイント部分にシムを入れたりはしなくても良さそうです。 リアピックアップはまだ下げられるので、ピックアップを戻したときに調整しておきましょう。

上手く収まる

配線が全て分解できました。

配線を分解

ネックを外します。 ネジを手作業で削ってありますね。

ネックを外す

ジョイント部分です。 ネジ穴に爪楊枝が刺さっていました。

爪楊枝が入っていた

ネック調整のためにネックを外したときに舐めてしまったのでしょうか?

ネジ穴が緩んでいる

簡単に補強しておきます。

ネジ穴を補強する

そもそもシムが最初から入っていましたね。 フロントピックアップの導電塗料はボディとネックのディープジョイント部分の両方に塗ることになります。

ジョイント部

塗装の底面がデコボコしているところを削りました。 底面は塗料の表面張力でツヤが出ていることが多いですが、導電塗料の食いつきをよくするためにも削って傷を付けておく方が安心です。 とは言いつつも、導電塗料の食いつきは元から良いので気にしなくても良いとは思います。

塗装を掃除する

導電塗料を塗っていきます。 まずはネックから。

導電塗料を塗る

ピックアップキャビティ。

導電塗料を塗る

元から塗ってあったコントロールキャビティです。 ここの抵抗値が目標より一桁大きい気がするので塗り足しておきます。

導電塗料を塗る

ジャックの部分は、もしまたジャックがクルクル回ってしまったときにホットとショートしないように部分的に塗らない部分も作っておきます。 写真で言うと左側の隠れているところにマスキングテープを貼ってあります。

導電塗料を塗る

十分に抵抗値を下げるために乾燥時間を取りながら、2回塗ります。

明日、乾いたら配線をやり直しましょう。


ブラックパールのピックガードをレリック加工する

ブラックパール4プライのストラト用ピックガードです。

ブラックパール4Pストラトピックガード

ネジ穴ギリギリまでエッジを尖らせていきます。

エッジの加工

加工が終わりました。

エッジが尖っている状態

レリック加工をしていきます。 傷を付けたり塗料を駆使して汚していきます。

レリック加工

ちょっと分かりにくいですがくすんだ感じになりました。

レリック加工

色味が分かりにくいのでミラーレスカメラで昼間に撮り直そうかと思います。