風邪でお休みしています

12月にひきつづいてまた風邪をひいたみたいなので、ちょっとお休みしています。

これ以上こじらすとやっかいだな・・・という感じがしたので遅れているブログを書きつつ暖かくして寝ておきます。

みんな免疫が下がっているのでちょっと出かけるだけで何かしらに感染していますね。 お気を付け下さい。


チェック【フェンダージャパンCARテレキャスのメンテナンス-1】

こちらも主に録音で使っているというテレです。

テレキャスター

外来ノイズ、ポットなどのガリノイズが気になるそうです。

ポットとジャックが寿命

ジャックも錆びているので交換しましょう。

ジャックも錆びている

フレットが減っています。

フレットが減っている

キャビティに導電塗料を塗る方向で進めましょう。

キャビティ

ロッド調整前にグリスを塗っておきます。

ロッドナットにグリス

ハイポジションに順反りが残ります。 ローポジションのフレットが減っているので、できればヒーターとすり合わせ、予算の都合があるならすり合わせのみでもいいので手直ししたいですね。

ハイ起きが残る

弦を外そうとしたらリテーナーに引っかかって取れません。

リテーナーに弦がひっかかかる

少しアーチの形を修正しました。

リテーナーを曲げた

ネジがボディにも効いています。

ネジがボディにまで効いてしまっている

このネジはネックに効かせたいのでボディは適度に拡げて素通りにします。

ネジに合わせて拡げた

ペグのブッシュとポストを掃除してグリスアップしておきます。

ペグの清掃とグリスアップ

スイッチのネジが木ネジと入れ替わっています。 元に戻しておきましょう。

スイッチのネジが入れ替わっている

ネックポケットの木部が破損して取れています。

ボディが割れている

きれいに割れているので簡単にくっつくと思いますからタイトボンドで接着しておきます。


ネック調整【J.W.BLACK ソニックブルーのJBタイプのノイズ処理-1】

J.W.BLACKのJBタイプです。 レコーディング用に使っていてノイズが気になるそうです。 しばらくメンテナンスしていないそうなのでネックやサドルの調整もしましょう。

J.W.BLACK

トラスロッドを締めました。 ハイポジションに少し順反りが残っていますけれど、今回は弦高をペタペタに下げるわけではないので、一度これで調整して使ってみてもらいましょう。

ネック調整してみた

コントロールキャビティには導電塗料が塗られています。 抵抗値も充分に低いですし、アース電位にもつながっています。

コントロールには導電塗料が塗られている

ピックアップキャビティには塗られていません。

ピックアップキャビティには塗られていない

クッションに張られている両面テープを掃除します。

クッションの粘着を掃除する

ここに導電塗料を塗る方向で進めましょう。


原因を調べる【フロントピックアップに触るとノイズが出るジャズベース-1】

フロントピックアップに手を近づけるとノイズが出るということでお預かりしました。 チャマブルーっぽいジャズベです。 ちゃんとゴールドバーツが付いていますね。

チャマブルーっぽいジャズベ

確かにかなり気になるノイズが出ます。 何がどうなっているのか調べていきましょう。

フロントピックアップを触るとノイズが出る

そもそもこのピックアップはハムノイズをキャンセルできていません。 リアはS極トップ。

S極トップ

フロントもS極トップです。

S極トップ

反時計回りに巻いたコイルの巻き終わりがホットになっているリアピックアップ↓

リアピックアップの出力線

同じく反時計回りに巻いたコイルの巻き終わりがホットになっているフロントピックアップ↓

フロントピックアップの出力線

巻き方向を逆にすることで外来ノイズを逆相にして打ち消しつつ、磁極も逆にすることで弦振動による発電をさらにひっくり返して同じ位相に戻すということができていません。 フェンダーの歴史上、JBのピックアップは誕生したときからハムキャンセルしているはずですので何かが間違っています。

ちなみに配線は白(ホット)がボリュームの2番端子に正しく接続されています。

白ホットは2正しくつながっている

なので信号の位相は合っています。

位相の確認

ではなぜフロントだけ触るとノイズが多いのでしょうか? ひとつ考えられるのは、リアはラッカーで絶縁してあるのですが↓

リアピックアップのポールピース

フロントは塗られていません。 これが原因でしょうか?

フロントPUのポールピース

リアピックアップを外して裏側を見ます。

リアピックアップの裏側

ポールピースのエッジは塗料が乗りにくいせいか導通があります。 でもここを触ってもフロントほどはノイズが出ません。

エッジにはラッカーがあまり乗らない

フロントを0.5mm厚のメイプル板越しに触っても結構ノイズが出ます。

絶縁してもリアよりノイズが多い

ここで大事なことが判明しました。 フロントピックアップの1弦側のポールピースが、ホットと38Ωでつながっています↓

なぜかホットとほぼショートしている

これはコイルの巻き終わりが隙間からコイルの内部へ引き込まれて、巻き始めに戻っているのです。 エナメル皮膜が摩擦で取れてコイル線がポールピースと直流的にショートして、あと38Ωだけ巻いて完成した(全体は8000~9000Ωくらいが一般的です)ということが考えられます。

他のポールピースとも薄いエナメル皮膜で隔てられて接触しているので交流的には線間容量によってつながっています。 なので手で触るとノイズが入ってくるのです。

案1としては、買ったところに頼んでフェンダーに新しいピックアップセットに交換してもらう。

案2としては、このフロントピックアップを計測して、絶対に間違いのない方法でフロントピックアップを私がもうひとつ作るということです。

不具合の原因がマニアックすぎるので、案1にして「リアの巻き方が間違ってたのでリアだけ交換しました」みたいなことになると直らないのが心配です。

 

トラスロッドナットにグリスを塗りました。

ロッドナットにグリスを塗る

弦は交換するのはもう少し下に押し下げて置こうと思います。 上の方に巻くと3弦に角度がなくて振動が逃げがちになります。

弦はもう少し下に押し下げたい