ペグを一度外してレリック加工しました。
いい感じに曇りました。
金属部品もレリック加工することになりました。
ニッケルメッキの部品は腐食によって曇らせることができますが、クロームメッキは簡単には酸化しませんね。 実際のビンテージもきれいな状態を保っていることも多いです。
なので細かい傷を付けた後、塗料で汚してみました。
これはかなり上手にできたと思います。
以前、ジャズマスターの金属パーツ類でも使った手法です。
レスポールスペシャルをお預かりしました。 バダスタイプのブリッジを取り付けます。
バダス型ブリッジはすでに付いていますが、弦溝が切られていません。
先におおよそのオクターブ位置を探して、両サイドの2本のネジの調整を済ませておきましょう。
1弦と6弦の位置を探します。 フレットの使える部分を左右均等に残しつつ、ポールピースの上を通る位置という条件になるのですが、このギターだとこの辺りですね。
シンプルなバーブリッジが付いていたギターの場合、6弦は中央よりやや1弦側よりに弦溝がきて、1弦はかなり1弦側にずれた位置に弦溝がくることになります。
バーブリッジは弦が斜めに回り込んで出てくるので、アンカーがセンターからズレたところに打ってあります。 結果、バダスを弦長方向に垂直に取り付けると、弦溝が1弦側にズレることになります。
バーブリッジの上にオクターブ微調整用の山が付いているタイプはセンターに対して対称にアンカーが打たれているので弦溝は中央にくることが多いです。 弦の間隔を広めに取ると、センターから順に外へ広がっていくことになります。
どちらかというとこのギターみたいになる方が個人的には好きです。 モントルー製のバダスタイプは加工精度が良いので、サドルがオクターブ調整ネジを支点にシーソーのように動くことはあまりないのですが、こうやってサドルの1弦側を押しつける方向に力がかかっていることで、部品の共鳴による異音が出る確率が下がる傾向にあるようです。
調整していきましょう。 各部のチェックも軽くしておきます。
ジャックプレートのネジ穴付近です。 オーナーさんが仰るには、ネジ穴に折れたネジが残っているかも知れないということです。
確かにネジ穴の底を覗くと木部が見えないところがありますね。
怪しいネジ穴2個をドリルビットで揉みました。 手応えとしてはネジの破片は入っていなかったように思います。 埋め直しておきましょう。
残りの2個も結構ズレていますね。 ジャンク品で入手したギターを、ご自身で再生するにあたってのお手伝いとしてやっている作業ですので、こういうのは取りあえずそのままにしておいて、ご本人に楽しんでもらいましょう。
一般的には価値がないことになってしまっているギターでも、こうやって愛着を持って弾いてくれる人に出会うことがあるのです。 たまに「安いギターなんですけど直す価値あると思いますか?」って聞かれることがありますけれど、思い入れ次第でドンドンやっちゃえば良いと思っています(笑)