金属部品のレリック加工【2TSBのPBの組み込み-15】

金属部品もレリック加工することになりました。

ニッケルメッキの部品は腐食によって曇らせることができますが、クロームメッキは簡単には酸化しませんね。 実際のビンテージもきれいな状態を保っていることも多いです。

なので細かい傷を付けた後、塗料で汚してみました。

部品のレリック加工

これはかなり上手にできたと思います。

以前、ジャズマスターの金属パーツ類でも使った手法です。


ボディのパーツを分解する【Burnyのリッパータイプの電池交換をしやすくする-2】

ピックアップの配線と弦アース線を分解してピックガードを外しましょう。

配線部分

うつ伏せにしてルーター加工するのでブリッジも外して分解しました。

解体

ひざの部分にもコンターがあるので、この辺りになりそうですね。

電池の位置

表側の、コントロールキャビティやピックアップキャビティとかぶらない位置に開ける必要があります。


モントルーのバダスタイプを取り付ける

レスポールスペシャルをお預かりしました。 バダスタイプのブリッジを取り付けます。

レスポールスペシャル

バダス型ブリッジはすでに付いていますが、弦溝が切られていません。

すでにバダスは付いている

先におおよそのオクターブ位置を探して、両サイドの2本のネジの調整を済ませておきましょう。

おおよその位置出し

1弦と6弦の位置を探します。 フレットの使える部分を左右均等に残しつつ、ポールピースの上を通る位置という条件になるのですが、このギターだとこの辺りですね。

1弦と6弦の位置出し

シンプルなバーブリッジが付いていたギターの場合、6弦は中央よりやや1弦側よりに弦溝がきて、1弦はかなり1弦側にずれた位置に弦溝がくることになります。

弦の溝を切った

バーブリッジは弦が斜めに回り込んで出てくるので、アンカーがセンターからズレたところに打ってあります。 結果、バダスを弦長方向に垂直に取り付けると、弦溝が1弦側にズレることになります。

バーブリッジの上にオクターブ微調整用の山が付いているタイプはセンターに対して対称にアンカーが打たれているので弦溝は中央にくることが多いです。 弦の間隔を広めに取ると、センターから順に外へ広がっていくことになります。

どちらかというとこのギターみたいになる方が個人的には好きです。 モントルー製のバダスタイプは加工精度が良いので、サドルがオクターブ調整ネジを支点にシーソーのように動くことはあまりないのですが、こうやってサドルの1弦側を押しつける方向に力がかかっていることで、部品の共鳴による異音が出る確率が下がる傾向にあるようです。

調整していきましょう。 各部のチェックも軽くしておきます。


ネジ穴を埋める【Barclayのブリッジ交換-6】

ジャックプレートのネジ穴付近です。 オーナーさんが仰るには、ネジ穴に折れたネジが残っているかも知れないということです。

確かにネジ穴の底を覗くと木部が見えないところがありますね。

折れたネジが埋まっている疑惑

怪しいネジ穴2個をドリルビットで揉みました。 手応えとしてはネジの破片は入っていなかったように思います。 埋め直しておきましょう。

ドリルで突いてから埋めた

残りの2個も結構ズレていますね。 ジャンク品で入手したギターを、ご自身で再生するにあたってのお手伝いとしてやっている作業ですので、こういうのは取りあえずそのままにしておいて、ご本人に楽しんでもらいましょう。

一般的には価値がないことになってしまっているギターでも、こうやって愛着を持って弾いてくれる人に出会うことがあるのです。 たまに「安いギターなんですけど直す価値あると思いますか?」って聞かれることがありますけれど、思い入れ次第でドンドンやっちゃえば良いと思っています(笑)