ヒグチのオイルコンデンサ

SonicのOC-223を取り付けたいというお客さんのために2個仕入れました。 このコンデンサはもともとSonicターボブレンダーなどのサーキットに取り付けるためにヒグチ電子に注文していたものですが、ヒグチのオイルコンデンサの評判が良く、コンデンサの聞き比べなどが好きな人のために容量誤差5%以内のものを選別パッケージした商品になっています。

スカッドにもヒグチのオイルコンがあるのでサウンドハウスで買ってみました。

ヒグチのオイルコンデンサ

いま流通しているOC-223 の方は円筒形です。 昔は金属製の缶ケース入っていましたが、あれは金型が寿命になってなくなったように思われます。 他のメーカーのオイルコンも同時期に形状変更になったので、ケースを作っていた会社が他にあったのか、あるいは他社ブランドのオイルコンもヒグチ電子が作っていたということでしょうか。

ヒグチのオイルコンデンサ

一方でスカッドの方は断面が楕円の卵焼きみたいな形をしています。

ヒグチのオイルコンデンサ

同じDUシリーズで、耐圧や精度も同じに見えますが、製造時期で形が違うだけでしょうか? 好きな人は両方買って試す楽しみがありそうです。

ちなみに缶ケースに入っていた頃のヒグチのオイルコンデンサはこんな感じでした。

ヒグチのオイルコンデンサ

私の研究ではこのコンデンサはもともとマルコンブランドで販売されていたのだと考えられます。 Marconのロゴマークが付いたバージョンです。秋葉原のジャンク屋さんで見つけました。

マルコン時代

マルコンで廃番になったあとも真空管アンプやギター関係機材、高電圧電源回路などのために生産を継続してくれているわけです。 とても有り難いことですね。


いろいろチェック【ピックアップを持ち上げるブロックを作る-1】

赤いギターにリフィニッシュされる前のスペシャルです。 レギュラーラインのスペシャルはピックアップが上げ下げできるように作られていますが、「そこにクッション性があるせいで音が違う気がするので埋めたい」ということです。 きれいに埋め戻すのには手間もお金もかかりますので、それっぽいブロックを簡易的に作ることになりました。

リフィニッシュ前のLPスペシャル

押すとフカフカしますよね。

ピックアップ部分

メイン機として弾いておられる2001年製のヒスコレのスペシャルです。 これを計測してブロックの高さなどを考えることになりました。

2001年製ヒスコレLPスペシャル

リア。

リアPU

フロント。

フロントPU

弦を張った状態で弦とカバーの上面やポールピースの距離を測りました。

で、分解してみたら・・・。バネが出てきてしまいました。 このギターは以前もお預かりしているのですが、バネが入っているようです。 ではブロックで固定するのは何か違うかも知れませんね。

バネ

それはそうと、P-90についても調べさせてもらうことになりました。 Tokaiのスペシャルに載せるために、みんな大好きな2001年製ヒスコレのスペシャルに登載されているP-90に近いものを作るというテーマもあって、改めてピックアップも見せてもらいます。

先日のP-90計測会では、メーカーごとにボビンの幅が違うことが分かりました。 うちで仕入れたボビンと幅がそっくりです。 これはラッキーですね。

ボビンが似ている

P-90のマグネットは内側に同じ磁極を向けるのでしっかり止めておかないと両側へ分かれてしまいます。 そのためブラス製ベースプレートを真ん中で折り曲げてあるようです。 そのせいでボビンが変形していますが、変形していない部分をノギスで測ると全く同じです。

ボビンの幅が同じ

続いてワックスポッティングについてです。 作ってみて分かったのですが、P-90タイプはパーツも多く裏から叩くとカンカン言いがちですし、コイルの中央が膨らんでポンポン言いがちなので、本家もガッチリワックスで固定してあります。 ハウらずにフィードバック奏法ができるわけですね。

ワックスポッティング

コイルはフォームバー皮膜線ですね。

まさかのフォームバー皮膜線

私が試作したときと同じで、巻き始めホットにすることで、コイルの外周を利用してシールド性能を上げているようです。 白がアースにつながっています。

巻き始めホットで合っている

断線しそうで怖いのですぐに戻しておきました。 真冬にも一度計測したのですが、今の室温での直流抵抗値やインダクタンスも参考になります。

元に戻した

フォームバー皮膜線で試作をやり直さなくてはいけないですし、ヒスコレの方にバネを入れていたなら、レギュラーラインの方にブロックスペーサーを作るべきかも振り出しに戻ったので、チェックしたらチェックしただけ謎が深まってしまいました。

みんな大好きな青いスペシャルに載っているというピックアップはやたら低音が出る気がしましたが、ボビンの幅もワイヤの種類も巻きも磁力も全部違っているのが原因のようです。 あれはあれで使い道によっては良いんですけど。

ギブソンとTokaiの両方を持っているお客さんに頼まれた、持ち替えたときに違和感が少ないピックアップを作ろう思います。


スイッチクラフトとピュアトーンのモノラルジャック

左がスイッチクラフト製、右がPURETONE製のジャックです。

スイッチクラフトとピュアトーンのジャック

スイッチクラフト製はチップ端子にバネ型の端子がひとつ、スリーブ端子は筒状になっている部分の内側のどこかに接触するようになっています。

スイッチクラフトとピュアトーンのジャック

一方でPURETONEのジャックはチップ用にふたつ、スリーブ用にふたつのバネ端子が有ります。

またプラグの曲面に沿うように凹凸がつけられているので、接触する箇所が多いです。

長くギターに使われてきた信頼と伝統のスイッチクラフトか、バリバリとノイズが出ることが少ない多接点なピュアトーンか。 どちらがお好みでしょうか。

部品代は今どんどん上がっているので確かなことは言えませんが、価格はピュアトーンの方が少し高いです。


指板Rについて

一般的なフェンダーの指板R(7.25インチ)とギブソンの指板R(12インチ)は、紙に描いて比べてみるとこのくらいの差になります。 一番差が大きくなる最終フレットくらいの幅で描いてみました。

指板R

フェンダーの指板をギブソンRに変更するために削るとすると、指板がこのくらい薄くなります。

ポジションマークが透けたり無くなって入れ直しになったり、ネック材が柔らかい場合はトラスロッドナットの力で指板が持ち上がって割れたりすることがあります。 ロッドナットがネック材を押しつぶしてどんどんめり込んでいくネックは特に注意が必要ですね。


友達にギターを教える会

30年近くギターボーカルをやっているのに未だにオープンコードとバレーコードすら曖昧な友達にギターを教え直しています。

エレキギターを挫折した人におすすめする「ウクレレみたいに弾く方法」がこちらです。 写真はGキーです。 指板の図をクリアファイルの中で左右に動かすと他のキーでも弾けます。

エレキをウクレレみたいに弾く方法

2フレット手を動かすだけで、ひとつのキーの中のダイアトニックコードが1~4弦だけで弾けます。 ギタリストがたくさんいるセッションで、初見のコード譜を見ながらインチキなアルペジオを弾いたりするのにも便利です。

せっかくギターを持っているのに何にも弾けないよりは、これだけでもyoutubeで音楽を流しながらそれに合わせて何かしら弾けたらまたギターを練習する気になるのではないでしょうか。

2G

しばらく使っていなかったBR-80から出てくる2GのSDカードに時の流れを感じますね。