ベルデン#8412でシールドケーブルを作る

Lプラグが付いたシールドケーブルなのですが、両方をストレートにしたいということになりお預かりすることになりました。

Lプラグが付いている

もともとLプラグ側をベースにさしていたそうですが、今はアンプの方にLをさすことになりがちで、スイッチやノブにあたらないか心配になるそうです。

ストレートプラグにしたい

ケーブルを自作する人も多いと思いますので、簡単にですが順を追って写真を掲載しておきますね。

先日仕入れたノイトリックのモノラルジャック。

ノイトリックのモノラルジャック

カットしたケーブルに黒い部品を先に通します。 ハンダ付けしてから通していないことに気がついたらやり直しですよ。 補強のために熱収縮チューブを使いたい場合はここで通しておく必要がありますね。 今回は反対側にないので使いません。

部品を先に通す

カットした断面です。 白黒2本の線とその隙間を埋める糸が4本撚りになっていて、その周りにシールド用の網線が巻かれています。 厳密に言うとそれらが動くことでマイクロフォニック(叩くとカンカンいうなど、振動に反応してしまう現象)を起こさないようにするためと思われる部材が巻かれています。

ベルデン#8412

まず外側の黒いゴム質のものを剥き取ります。 布も取ってシールド網線を露出させました。

外周を剥き取る

ここで網線をほぐします。 ここで網線が切れてごちゃごちゃになると、その破片がプラグ内でショートを起こして音出ずトラブルになってしまいかねないので、丁寧に作業することで信頼性が上がりますね。

網線をほぐす

網線を折り返します。 この糸たちをカットする必要があるからです。

網線と糸を分ける

糸を切り取ると中から白黒の2本が出てきます。

糸をカット

今回は白黒2本ともホットに使われているケーブルの改造なので、ここは2本ともホットにします。 網線がアースとコールド共通のラインになります。

なので下準備としてはこんな感じになります。 ハンダメッキが終わっています。

網線をまとめる

端子側にも先に予備ハンダをしておいて、それらをつなぐようなイメージでハンダ付けすれば確実ですね。

ハンダ付け

電線を固定するための黒いプラスティック部品を取り付けます。 一部カットできるようになっています。 おそらく細い電線ならカットしなくても良いのだと思うのですが、ギター用ケーブルを作る時にはここを切って使うことの方が多いですね。

この部品のここをカット

金属製の外側部品を締め込んで完成です。

パーツを締め込む

各ケーブルのチップ同士、スリーブ同士の導通を確認します(つながっていないとブーブーいいます)。 さらにチップとスリーブがショートしていないかも確認しましょう(つながってしまっているとノイズすらでません)。

白黒2本をホットとコールドにして、シールドを片側だけアースにつなぐというセミバランスみたいな作り方もありますのでそれはまた別の機会に。 ただ、ギターとベースにはこっちのつなぎ方の方が良い音に聞こえるという声を聞きます。

もしこれを読んでいる方で「自分でケーブルを作ることはできないのだけれど、あのケーブル材でこんな長さのシールドがあれば良いのになあ」というかたはこちらのメールフォームから御相談下さい。


ピックアップの製作

いろいろピックアップを作ります。 頼まれものや、今組んでいるプレベ用のピックアップです。 右がテレキャスター用、中央は50年代風ストラト用、左はPBらしさを持ちつつも、上手に聴こえてバンドで埋もれることのないピックアップというご要望で試作するものです。

組み立て前のピックアップボビン

ただ単純にコイルを増やすとタッチはごまかせても埋もれがちになると思うので少しボビンの形状を変えて、コイルを少しだけ縦長にすることにしました。 一度試してみたかったのです。

寸法をいつもと変える

普段裏側に飛び出ているポールピース分をコイルの巻き取り部分にずらしたわけです。

この僅かな違いは聞き取れるのか

右のコイルはサウンドチェック用に作りました。 その時に写真はまだブログに上げられていません。 順番が前後してだんだん何を書いたか分からなくなってきました。 上手くまとめましょう(笑)


Birdcageオリジナルプリアンプの製作

Birdcageオリジナルのベース内蔵用イコライザーです。 今回は3バンドのものを作ります。

プリアンプの製作

こういうふうに2枚の基板を電気信号が行き来するような構造にすることで、小さいサイズにまとめています。

鳥かご型配線

絶縁するためにコーティングしたあと、配線の補強もかねて塗装をしていきます。

絶縁のための塗装

 


基板製作と組み込み【Power Distributorの製作-3】

基板を作っていきます。 1枚1枚手作りです。

基板の製作

9.8ボルトに減圧するレギュレーター回路です。

基板が完成

DCジャックに電界コンデンサを取り付けていきます。 これはつないだエフェクターの消費電力が変動した時に、他のエフェクターに影響を与えないための充電池のような役割をします。 レギュレーターだけでも対応できるはずですが念には念を。

電界コンデンサの取り付け

ちなみに18ボルト出力のところにだけ耐圧25ボルトを使っているので、もともとのバージョン(左)と違って、ひとつだけ金色のコンデンサが入っています。 すべてオーディオグレードです。

よく、エフェクターの電源コンデンサーを音響用に交換するチューニングがありますが、このパワーサプライはそれと同じことをしているわけです。 交換ではなくて追加ですが。

特別仕様になっている

さて、放熱試験です。

放熱試験

実際に使う時は、左3つの18ボルト出力からスルーアウトする分もあるので、これが一番過酷な使い方を再現した状態です。 ACアダプターからフル出力しても、触れないほど熱くなることはありません。 これで良さそうです。

パワーサプライの製作が必要な方はこちらのメールフォームから御相談下さい。 最近は、安くて良いパワーサプライがたくさんありますから困っている人はいないかもしれませんが、Early BirdのPower Distributorは「交換したての電池をシミュレートした9.8V出力」や、「オーディオ電解チューン」など、それなりに特徴のあるパワーサプライです。

モントルーさんのラインナップからなくなってしまった製品ですが、設計と製作でお手伝いしていましたので、同じ仕様のものをお作りできます。