PURE TONEのジャックを付けてみた

ギターやベースに使うジャックと言えばスイッチクラフト製が一般的ですが、今回PURE TONEというブランドのジャックを手に入れました。

一般的なモノラルジャックには先端のチップ端子にひとつだけ板バネ式の接触端子があって、付け根の方のスリーブ端子はジャックの筒状になった部分の内側のどこかに斜めに押し当てられているだけです。

PURE TONEのジャックの面白いところはまず、チップ端子に板バネ接点が2枚あることです。 また、スリーブ端子にも板バネがあります。

下の写真はステレオなのですが、チップに2枚、リングに1枚、スリーブに1枚板バネ式の接触端子があります。

PURE TONEのジャック

しかもそれぞれの板バネ式接触端子には凹凸が付いていて、少なくとも2点で接触するようになっています。 チップ端子は4点で支えていることになります(形状が合えば線や面で接触しますね)。

チップ端子の接点

リング端子は2点、スリーブ端子も2点あります。 モノラルの場合はこれら4点がすべてスリーブにあてられます。

リング端子スリーブ端子

ジャックの接点不良トラブルは、スリーブ端子(筒の内側)が酸化することでアース不良になる場合がほとんどです。

スリーブ端子に専用の接点があるとトラブル回避に有利であることは、ビルトインジャックの寿命が長いことをみても明らかですね。

自分のベースに付けてみます。 このベースはバードケージオリジナルプリアンプBCP-3が登載されている試奏機でもあります。

取り付けて見る

ハンダ付け端子がキャビティに当たらないように、この向きで付けました。 導電塗料を塗ったキャビティに入るので、一応ヒートシュリンクチューブで絶縁してあります。

取り付けて見た

プラグをさしてみたところ、特に違和感はなくスイッチクラフトと同じように使えますね。 いろいろな方向からプラグを支えているので安定感があるような気もします。

多接点で電気的接触をバックアップし合うような仕組みなので、接点復活材を使うよりもこれに交換する方が安心です。

接触抵抗が小さくなるせいか音にも輪郭が出る感じがしました。 これについてはもっと弾き手の意見を聞いてみたいですね。

今後は配線のオーバーホールメニューのオプションとしても、ご提案していきたいと思います。


ピックアップと弦の距離について

ピックアップと弦の距離は取り付けネジを回すことで調整が可能です。 距離によって音量が変わりますし、音色はネジを90°くらい回すだけでも変化が聞き取れますね。

ピックアップと弦の距離は近づけすぎると問題が発生します。 最終フレットを押さえたときに弦はピックアップに一番近づきますが、その時に弦がピックアップの磁力に引きつけられすぎると「ウワンウワン」とうなってしまうのです。

さらにオクターブチューニングもずれてしまいます。 特にフロントピックアップの影響が強いのですが、例えばこのギターのフロントピックアップは弦に近づきすぎです。

ピックアップが高すぎる

最終フレットを押さえながら調べていったところ、このギターのピックアップはこのくらいの設定が限界でした↓

ピックアップの高さの限界

ピックアップを下げていくと、ネジを回してもピックアップが下がらないことに気がつくことがあります。 ネジがピックガードから浮いていますね↓

ゴムがへたっている

こういう場合はネジに通してあるゴムチューブを新しいものに交換する必要がありますね。 もし機能性重視なのならバネに交換するのがオススメです。


手汗で溶けたフレット

手汗が酸性の人はフレットが溶けてしまうことがあります。 何年に一度かのペースでしかお目にかかれない症状なので、写真を撮っておきました。 ご覧下さい。

フレットのあたる部分が菱形になっているところです。

手汗で溶けたフレット

その間が弦間にあたる部分ですが、フレットの両サイドが溶けて、フェンダーのVネックのように三角形にとがっています。

このネックはまだましで、チョーキング傷で減ったフレットの頂点がつながっていますが、症状が重いとフレットで減った部分より弦間の頂点の方が低くなってしまっていることがあります。

今日は珍しい写真でした。 部分図ですみませんが今日はこれをフレットすり合わせしました。


ポットのガリノイズについて

ガリノイズが気になるということでポットを交換したベースがあるのですが、新しいポットに交換してもやっぱり少しだけノイズが出ます。

で、何が原因なのかと調べ始めてポット沼にはまっています。

先日、製作したポットチェック機で、持っているいろんなポットを調べています。

ポットのノイズチェック

ボリュームとしてつなぐとボリュームをフルにするあたりでファサッとノイズが出ます。 これに関しては抵抗値が100kΩ以下になると気になりにくくなるようです。

トーンとして1番にアース、2番にホットをつなぐと0になるあたりでファサッとノイズがでます。 これは抵抗値に関係なく出ます。

いろんなポットのノイズをチェック

今までヘッドホンで詳しく聞いたことがなかったので驚きました。

ボリュームも、インとアウトを逆につなぐ、いわゆるジャズベース配線ならどうなるのでしょう?

少なくとも、いま問題になっているベースのバランサーはセンター付近でノイズが出ます。 バランサーポットはJB配線になっていて、センター付近でフルになります。

ベースは楽器の出す音が低音なのでノイズが分離して聞こえるのでギターより気になります。

とは言え、プレイヤーとしての自分はトーンを絞りきったときに、こんなにもファサファサいっていたなんて気がつきませんでした。

また詳しいことが分かったらブログに書こうと思います。


ギターアンプの回路図を見ていて気がついたこと

年末に作っていたThe Chipで作ったディストーションなのですが、せっかく作ったので他にも発展できないかと考えていました。

真空管アンプのプリ部に使われる三極管をシミュレートしたTrioderizerというFETを使ったアンプを使用したので、真空管ギターアンプ風のプリアンプを作れないものかと、フェンダーやマーシャルのアンプの回路図を見ました。

で、気がついたのですが、フェンダーとマーシャルでトーン回路が付いている場所というか順番が違うような気がしますね。

フェンダーは上側の図のように真空管と真空管の間にトーン網が入っています。 つまりゲインを上げるとEQした後の信号が歪みます。

トーン回路と真空管の位置

逆にマーシャルは下側の図のように、歪んだ後にEQしていることになるのではないでしょうか。 いろんな機種があるので他にもいろいろ並べてみて確認したいですね。