フレットを抜いていきます【レリックJBのハイポジション修理-1】

ネック交換でお預かりしているベースがありまして、そのネックシェイプの参考にとお預かりしたベースです。

一度、ハイ起きの修正でお預かりしたことのあるJBですが、当時はフレットで弦の張力を支えるというアイデアを発案する前だったので、今回その技術を追加でインストールしておこうと思います。

JBネック

ハイポジションのフレットを抜いてフレット溝を狭くしました。

 

ハイポジションのフレット溝調整

指板を整えて、フレットを改めて圧入していきます。

フレットの打ち直し

ブッシュが浮いていました。 ついでにしっかり固定しておきましょう。

ブッシュを固定


弦を張ってチェック【74JBのハイポジション修正ー5】

指板塗装を済ませてからネックの反り具合が気にくわなかったとすると、ヒーター修正で指板塗装にダメージが出ます。

なのでこの段階でもう一度弦を張って確認しました。 フレットの溝の広さでも反り具合を調整したのですが、ビックリするくらい上手くいっています。

弦を張ってみる

サイドを削り落としました。

フレットの端をそろえる

指板塗装しましょう。


フレットのすり合わせ【69PBのフレット交換-9】

ハイポジションを追加でかなり逆反らせました。 長い間クランプをかけてあったのですがこれで止まってくれると良いですね。

フレットのすり合わせ

フレットを仕上げてしまう前に一度弦を張って確認します。 人間プレックみたいなものです。 ネック材が柔らかくて、弦を張ったときにネックの反り方が大きく変わってしまう場合のみこういう順序を採用します。

弦を張ってみる

順反っていたネックを修正したのでサドルを上げないと元の弦高にならないのですが動きません。

潤滑材をさしてみましたが動きません。 この白っぽくなっているのは・・・。

アロンですかね?

弦高調整ができない

これはどうしようもないので一度分解します。

ブリッジの分解

アロンアルファのはがし材はアセトンが主成分です。 塗装をするときに洗浄用に使っているアセトンにつけ込んでみましょう。

アセトンにつけ込んでみる

なかなか取れないので、キャップ付きの空き缶にアセトンごと入れて一晩おきましょう。 こういうことで何時間も消費するのが楽器の修理というものです(笑)

 


3ピックアップSGのミドルにもボリュームを効かせる【BurnyのSGの配線改造-3】

3ピックアップ用のトグルスイッチはウエハの枚数が多くスイッチの端子が外側にひとつずつ増えています。

前回の記事で書いたトグルの基本構造図のところで()と描かれて何もつなげないけれどもスイッチが止まるポジションにハンダ付けできる端子があります。

3ピックアップ用のトグルスイッチ

で、今回お預かりした3ピックアップのSGはこうなっていました。

前回はボリュームを省略して描いたのですが、今回はボリュームが大切なので描き加えました。

スイッチを倒すとネック側とブリッジ側それぞれの単体が出ます。 図はスイッチがセンターの時なのですが、このときはミドルとブリッジ側の並列が出ています。

3ピックアップ用の配線図

ただやっかいなことにこれではボリュームが正しく効くのはブリッジ側のみです。ミドルから見るとまるでトーンポットのような回路図になってしまいます。

これこそがボリュームが調節しづらい原因です。 改善するにはミドルピックアップをボリュームの前につなぐようにしてあげる必要があります。

考えてみた結果こういうつなぎ方を思いつきました。 これでセンターポジションの時。ブリッジ側のボリュームが正常に効くようになります。

ミドルにもボリュームが効くようにする配線

トレブル側に倒した時はミドルは切り離されますので干渉しません。ブリッジ側のみが正しく出ます。