お客さんに修理が完了したギターをお返ししたらいろいろ差し入れをもらってしまいました。
すみません有り難うございます~。
いろいろと問題があったサイレントベースですが、配線のやり直しがやっと完成しました。
ピエゾ単体で鳴らすことがない配線構造なので、EMG側のボリュームとトーンをマスターボリュームとマスタートーンにしました。
ピエゾのボリュームとトーンはアンプの前に格納することで分離できました。
ブースター基板の出力保護抵抗を10kΩとしてEMGの出力インピーダンスに合わせました。 出力のコンデンサを充電する抵抗をオリジナルのマイクロアンプの10kΩから100kΩに増やして、ピエゾ側の出力を並列で追加したときにEMGの出力が下がってしまう問題をあらかた解消しました。
ブースターアンプからの半導体ノイズがどうしても大きいので0.047μFのコンデンサを直接グラウンドに落としてトーンを使っていないときでも高域がある程度減衰した状態にしてあります。 かなりのローノイズになりました。 ベースとしてもウッドっぽくなったと思うのですが、もっとブライトな音が欲しいとなると高域のノイズとのトレードオフになります。
低域のハムノイズに関しては導電塗料によるキャビティのシールドと、シールド線を使うことでずいぶん良くなることが分かりました。 やはりピエゾは出力が小さい上にハイインピーダンスで引き回すのでシールド線を使うことでとても大きな効果が得られるようです。 こういったことが分かったのは収穫でした。
とりあえずはこれで使ってみてもらいましょう。 これでまだ問題があれば思い切ってミキサー基板を入れるとかそういう話になりますね。
古いギターは特に、ローズ指板の木がもろくなって、フレットを抜いたときに指板がこんな風になりがちです。
テフロンなどの接着剤のつきにくい素材でできた0.5ミリのついたてを使って埋めます。 とは言え、全部本気で埋めると溝が狭くなってフレットを打ったときに逆反ることがあるので今回は両端と中央にとどめました。
他はフレット溝のきわに接着剤をさすくらいにしておきます。 こういう微妙な判断は経験によるものなので、なぜそうなのかなんとも説明ができません。
埋めたところはこんな感じになります。
指板を研磨していきます。 といっても、指板の薄いラウンド指板のビンテージギターなので指板はほぼ削れません。 接着剤が十分に落ちたところまでで完了です。
指板に十分な厚みがあれば指板の研磨で細かい波打をそろえたいところのですが今回はフレットのすり合わせでもそこを吸収した方が良さそうです。 このあたりも作業する人の経験と裁量によります。 力業やゼネラルセオリーみたいなものはあまり通用しません。
研磨がすんだところです。 最初の状態と比べてずいぶんきれいな溝になったことが分かるでしょうか?
フレットの溝の深さをノコで調整していきます。 今回打つフレットは1.5ミリほどタングがあります。余裕を見て1.7~1.8ミリくらいにします。 隙間があくと埋めなくてはなりませんが、全く余裕がないとフレットが押し上げられてしまいます。
指板が薄いのでこれで限界です。 タングをグラインダーで削るという方法もありますが、次の工程でフレットのRを調整しづらくなるので今回はこの工程で精度のある仕事をすることで解決します。
ジェスカーフレットは多分9.5インチで曲げてあるのでフェンダーの7.25インチ指板にはそのままでは合いません。 自力で合わせる必要があります。 曲げる前がこちら。
合わせたところがこちら。これくらいまでは合わせたいです。
フレットはできる限り圧入機で圧入するようにしています。 「フレットを打つ」と言いますが実際はRのあったアタッチメントで押し込みます。
実は押し込んでいる工程はあっという間に終わります。 溝やフレットのR修正などの準備にどれだけ時間をかけて正確な仕事ができるかでほとんどの結果は決まります。
フレットを打って、すり合わせを終えて仕上げました。
フレット交換の工程はこんな感じです。 ケースバイケースのことも多いのでフレットの交換はとても奥が深いです。
夜中にうつらうつらしながらAmazonでコンプレッサーを見ていたらうっかり偶然にワンクリック注文してしまいました。
まぁ一番お安いものだったのでキャンセルせずにそのまま購入しました。
箱がなかなかイカしています(笑)
うっすらとしかコンプがかからないのですが、そのうっすら感が自然で良いですね。 ノイズの増加分も少ないです。
ただツマミが取説と実際で違うような気がします。 アタックとサスティーンのタイムをいじるようなことが書いてあるのですが、どっちかというとそれぞれの帯域のスレッショルドのような効き方をします。
サスティーンを下げていくとボリュームで取り返せないくらい音量がどんどん下がっていきますし、そうなるとアタックのツマミをどこにしても同じ音がする気がします。
何か回路の中のそれっぽいところの抵抗をむりやりボリュームにしてケースの外に出したような感じがしますね。 でもそれゆえにだいたい真ん中あたりにしてあとは微調整すれば自然にうっすらコンプがかかった状態になるというお気軽ナチュラルコンプでしかも4千円台という良くできたPEDALです。
でもシングルバンドのコンプレッサーをベースで使うと「低音を出そう」と指を寝かして指板に水平に弦を弾いたときに、その音圧に反応したコンプがゲインを全帯域のイコライジングを変えないまま下げようとするので、等ラウドネス曲線のグラフの低音域のつまり具合の分だけ低音が足りなく感じてしまうのだと思います。
つまり「ゴーン」と低音を出そうと体は動いているのに、出音はむしろ中高域が「パリョーン」と上がってくるという、身体感覚に逆うような音色の動きになってしまい違和感を感じていしまうのです。
自転車に乗れる大人が補助輪付きの自転車に乗ると曲がりきれずにこけるような感じとでも言いましょうか・・・。 やはりそこが気になるならマルチバンドのコンプが必要なのでしょうかねぇ。 お安い商品でしたが弾き込んでみてなかなか勉強になりました。