ペグの修理など【トーカイのストラトタイプをリフレットする-12】

ネックとボディの間を計測すると0.09mmでした。 ここをもし突き板を貼って埋めようとすると、突き板が0.5mmで接着剤が0.1mmくらいになってしまって、結局接着剤しか残らないことがあります。

隙間ゲージ

例えば、こういう裏蓋のシールドに使っているアルミ箔シールの厚みがほぼ同じくらいなので、こういう物を張ってみてもいいかもしれません。

アルミ箔シールが同じ厚み

6弦のペグをぶつけた形跡があって、裏側のケースが開いてしまっています。

6弦のペグが開いている

こうなると完全には直らないことも多いのですが、3カ所ある爪を締め直しておきました。 結構ましになったような気がします。

爪をしめなおす

弦を張ってギターを構えた状態で、フレットの頂点がどうなっているかを確認しながらすり合わせを完成させます。

フレットのすり合わせ

指板が薄くて削れない分、フレットを多めに削りました。 その代わりに、フレットの頂点はものすごく真っ直ぐそろえることができそうです。

このネックのトラスロッドは、お預かりした時には180°くらい締まっていて、ネックは逆反っていました。 90°くらいまで戻すとネックは真っ直ぐになるのですが、ネックを手のひらでポンポン叩くとネックの中からカンカン音が出ます。 トラスロッドとその埋木の間に隙間が大きいのです。

演奏に合わせてロッドが共鳴してどうしても困るときは、一部のフレットを抜いてフレット溝のところから穴をあけて、発泡ウレタンスプレーを吹き込むという方法があるらしいのですが、今回はそこまでの共鳴はないので、このまま仕上げてみようと思います。

ヒーターがよく効くネックなら、ヒーターで順反らせてロッドを締めることもできるのですが、このネックはそれも無理そうです。


三脚をもらった

お世話になっているウェブデザイナーさんが新しい三脚を買ったらしく、使わなくなったゴリラポッドを送ってくれました。

ゴリラ

どこにでもカメラを取り付けられるようになるので、夜に走っている車のライトを線にするような長時間露光撮影に使おうと思います。


最終調整【レスポールスペシャルを改造する-14】

弦を張ってしばらく経ちましたがネックは安定していますね。 弦もなじんだので、弦溝を最終調整します。

ナット溝を最終調整する

ナットの表面を仕上げました。

ナットを磨く

ギブソンのトグルスイッチはグラインダーで削って有ることが多いです。 裏蓋にアルミシートを貼ってシールドする場合、ショートしないようにもっと削りたくなるのですが、そうするとネジ部分まで削ることになって何となくモヤモヤします。 今回は試しに静電シールを貼ってみました。

静電シートを貼ってみた

バダスはオクターブのネジ先とか、Eリング付近で変な共鳴音を出すことがあるので、細かい部品をネジロックで仮固定しておきます。

部品を仮固定

これで完成で良さそうです。

完成

お預かりした時はネックも順反っていましたし弦も古かったので音がボワボワしていましたが、ネックやフレットをバシッと直しましたし、フルアップポットを取り付けたので、ジャキとかガッとしたあたりの成分が増えました。

オーナー様が目指しているサウンドに近づいたと思います。


全体をチェック【グレコのバイオリンベースの改造-1】

グレコ製のバイオリンベースです。 いろいろ部品交換しながら組み立てていきます。

グレコのバイオリンベース

革職人さんに作ってもらったという革製パーツがいろいろ付きます。

革のロッドカバー

エンドピンジャックにしたいとのことなので、ここはフタです。

革のジャック穴カバー

コントロールパネルは同じサイズのプラスティックを共締めにすることになりそうです。 スタックボリューム&マスタートーンになります。

革のコントロールパネル

ペグはゴールドにしたいということで持ち込んで頂いたのですが

ペグを交換する

ヘッドに対して左側4連になっています。 分解すると組み直せるタイプでしょうか? 一度よく見てみましょう。

ヘッド左側4連

ブリッジですが、4弦のコマとその横にあるべき飾りが抜け落ちています。 フレットを打つ要領で修理しましょう。 弦長は770mmくらいのスケールみたいですね。

ブリッジ部

元から付いていたテールピースはニッケルです。

元のテールピース

ゴールドの物をもちこんでいただきましたが、明らかにブリッジと干渉します。

ブリッジに干渉する

エンド部分の部品を逆向きに付けて、外に折れ曲がっている部分を切り取ってしまったりすればもしかしたら付くかも知れませんね。 壊すこと覚悟でならやってもいいかもしれません。

こっち向きに付ける?

ピックアップはオリジナルのまま使います。 ここがクロームメッキですよね。

ピックアップ部分

カバーだけメッキ屋さんに出せないかとも考えたのですが、カバーが接着剤で付いているので剥がせないかも知れません。

カバーが接着されている

ストラップピンはこれが付く予定です。 1本ネジがありませんが、エンドピンジャックにしたいというご希望もあるので、エンドピンジャックが付くのであればこれで問題ないはずです。

ストラップピン

エンドブロックは25mmくらいあります。 ボディのサイド材が5mmくらいとして30mm厚。

エンドブロック

普通にやったら付きませんね。 内側から掘ることも困難そうですし。 ジャックプレートを付けることができればそこに付ければ良いわけですが、そこにテールピースが付きますよね。

金属を削ったり曲げたり穴をあけたりする改造になるのかもしれません。