ネックとボディの間を計測すると0.09mmでした。 ここをもし突き板を貼って埋めようとすると、突き板が0.5mmで接着剤が0.1mmくらいになってしまって、結局接着剤しか残らないことがあります。
例えば、こういう裏蓋のシールドに使っているアルミ箔シールの厚みがほぼ同じくらいなので、こういう物を張ってみてもいいかもしれません。
6弦のペグをぶつけた形跡があって、裏側のケースが開いてしまっています。
こうなると完全には直らないことも多いのですが、3カ所ある爪を締め直しておきました。 結構ましになったような気がします。
弦を張ってギターを構えた状態で、フレットの頂点がどうなっているかを確認しながらすり合わせを完成させます。
指板が薄くて削れない分、フレットを多めに削りました。 その代わりに、フレットの頂点はものすごく真っ直ぐそろえることができそうです。
このネックのトラスロッドは、お預かりした時には180°くらい締まっていて、ネックは逆反っていました。 90°くらいまで戻すとネックは真っ直ぐになるのですが、ネックを手のひらでポンポン叩くとネックの中からカンカン音が出ます。 トラスロッドとその埋木の間に隙間が大きいのです。
演奏に合わせてロッドが共鳴してどうしても困るときは、一部のフレットを抜いてフレット溝のところから穴をあけて、発泡ウレタンスプレーを吹き込むという方法があるらしいのですが、今回はそこまでの共鳴はないので、このまま仕上げてみようと思います。
ヒーターがよく効くネックなら、ヒーターで順反らせてロッドを締めることもできるのですが、このネックはそれも無理そうです。