組み上げとワックスポッティング【コイルをスプリットしたテレベース用シングルコイルの製作-2】

以前ご紹介したコイルをスプリットしたテレベース用シングルコイルの製作の続きです。 特注でひとつだけ作っています。

ネジを買ってきたので組み上げていきましょう。 上下にボビン板を追加してこんな形になりました。

組み上げ

横と下はこんな感じです。

下部

コイルを保護する糸を巻いていきます。 初期型プレベやテレキャスターのリアピックアップはこういう保護構造になっています。

保護用の糸を巻いたところ

ハウリングの防止にワックスポッティングをしました。 初めて作ってみたものにしてはきれいにできましたね。

ワックスポッティング後

上部のネジは皿アタマにしてトップと面一にしましょう。 次はベースのボディ加工!


アーリーバードのパワーディストリビューターを作りました

他社製品ですが製作のお手伝いをしています。

基板製作から始まります。 感光基板を使ってエッチングをしていきます。 エッチングの進み具合はこうやってしたからスポットライトをあてることで確認できます。

基板のエッチング

切り分けた基板です。

基板を切り分ける

内部はこんな感じ。 全て手配線です。 新品の乾電池に近い9.8ボルトを7口出力します。 出力側にはトーシンのオーディオ電解コンデンサを採用しています。 エフェクターのモディファイでも電源周りのコンデンサはオーディオグレードに交換されますよね。

パワーサプライの組み込み

前後左右はこんな感じ。

7口取れる

LEDが付いていてACアダプターから電源が来ているかどうかを知らせます。 故障したときに光っていなければアダプターのトラブルが疑われるというわけです。


ボビンの製作とコイルを巻く工程【コイルをスプリットしたテレベース用シングルコイルの製作-1】

アコースティックギターのような形状をしたフレットレスベースに登載するために、1点もののピックアップを作ることになりました。

まず用意したのはこちらの部品です。

テレベースのピックアップ部品

ハムノイズを少なくするためにコイルをスプリットしてみようということになったのでボビンを切ります。

テレベース・PUボビン

カットしたところがこちら。

ボビンをカット

完成時にはまたひとつに組み上げないといけないので、もう1枚ボビン板をベースプレート代わりに加工しました。 コイルの巻きはじめ巻き終わりが倍になるのでハトメを増やしたり、そのハトメが干渉しないようにベースプレート側に逃げを作ったりしました。

ボビンの改造

ボビンを組み上げました。 角張っているとコイルワイヤが絡まるので研磨して丸めます。

ボビンの組み上げ

ふたつのコイルが近いのでコイルが接触してはいけないと思って、普段テレキャスのネック側に使用するAWG43ゲージという細めのワイヤを巻きはじめてみたのですが・・・。

ちょっとコイルが細く仕上がりすぎてしまいます。 JBのときと違ってポールピースが1本で細い分コイルが小さく仕上がることが分かりました。 もったいないですがこのコイルは捨てて、通常よく使うAWG42ゲージに戻しましょう。

AWG43を巻いてみる

まき直したものがこちら。 常識的なサイズのコイルができあがりました。 ファットな低音が欲しくて追加するマグネットタイプのピックアップですからターン数は少し多めに巻いておきました。 もとがやや非力なピックアップですからいい落としどころにきているような気がします。

AWG42を巻く

組み立てる前の状態がこちら。 ワックスポッティングしたあと糸を巻いてコイルを保護したりはまた次回。

巻き上がったコイル


ベース用ブースター製作【マイクロアンプのモデファイ】

楽器店でMXRのマイクロアンプを試奏して気に入ったお客さまから、ベース用に定数を見直したバージョンをご注文頂きました。

使う部品はこんな感じ。

部品一覧

つや消しブラックなので加工中にキズが付かないようにマスキングします。

ケースをマスキング

穴開けが終わったところ。

穴開け

基板を製作します。 電源のデカップリングコンデンサを追加するために一部パターンを変えています。

基板の製作

カップリングコンデンサもデカップリングコンデンサも容量を増やして低音に余裕を持たせています。

また、入力インピーダンスが高すぎるとノイズが出るのでほどほどにしました。

ギター用途と違って歪ませることがないのでゲインを少し抑制しました。 ウッカリつまみが回ってしまったときのことを考えるとこの方が使いやすそうです。 ソケットになっているので最大増幅率はもとにも戻せます。

部品のハンダ付け

結構むりなところにLEDを付けたので配線が少し難しくなりました。

ケスへの組み込み

アダプターから電源を供給する場合は18ボルトでも使えるように部品を選定してあります。 こういう細かい仕様に自由がきくところも1点ものならではですね。

動作確認

ベースはもとの電圧が大きいのでやはりゲインを下げておかないと乾電池の電圧ではフルゲインで歪みっぽくなってしまいます。 微調整できるようにしておいて良かったです。

低音に余裕を持たせるという点では、オペアンプももとの4558より出力電流の大きい4556にしてみるのも良いかもしれません。

比較的簡単な回路ですが、ベース用ブースターと言って良い仕様に仕上がったと思います。

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