デシーバーをお預かりしました。　ネックと弦高を調整します。　

まずネックの順反りがありますので、トラスロッドでネック調整してみます。　

それだけで弦高が下がりますので、サドルの方で下げるのではなく、各弦の弦高バランスを整える感じにしていけば調子が良くなるのではないかと思います。

弦高は低めがお好みということです。　今は各弦で1.5mmから1.0mmでバラついているのですが、1弦側1.1から6弦側1.6mmくらいに調整していこうと思います。

ジャックが少しだけファサファサいっているので内側を磨いておきます。

ペグがきれいな方が良いということですので、一度ネックから外して掃除してみます。　

リアピックアップの断線問題です。　よく観察していると断線箇所が見つかりました。　ここだけ断線している場合、つなぐことができれば音が出るはずです。

クッションに直に接触する構造に問題がありそうですね。

フロント側を見ても同じようなマスキングの仕方なので、もっとコイルの全体にテープを貼って保護しておいた方が良さそうです。

コイルワイヤーの皮膜を削らないとハンダがのらないと思われるので、サンドペーパーで研磨します。　ここでプツッと切れたら終了です。

銅箔テープを貼ってその上でハンダでつなぎました。

音が出ました。　直りそうですね。

溶かしたワックスで修理した箇所を固定していきます。　右側のコイルと同じように修理した側のコイルも絶縁テープで保護しておきます。

のちにピックアップが3本のネジで留めるようになったのは、クッションのせいで断線することが多発したからではないでしょうか？

位相はアナログテスターでフロントとリア両方とも右です。ギブソンは基本は右なんでしょうね。　フェイズアウトさせることができるのですが、その時はフロントが逆相になるようです。

弦アース線が細い単線になっていて、できれば交換したいのですが・・・

アンカーが全く抜けません。　中で拡がっているようにも見えるのですが、ねじ込まれているのでしょうか？　無理にやって壊してはいけないのでここは諦めました。

ピックガードのネジが1本足りなかったので追加しておきます。　黒いネジを使ってレリックネジを作りました。

これで完成です。

リッパーをお預かりしました。　音が出ないそうです。　楽器店のリペアに出して1年くらいかかって直らなかったそうです。　何やら手強いですね。

配線図をいただきました。　これはとても参考になりますね。

そもそもポールピースを触るとブーブーとノイズが出ます。　これはアース線がどこかで切れています。

配線図を見ながら追いかけていくと、ポットの背中をつないでいる銅線が折れていました。

緑でマルしたところに黒い線を新たに取り付けました↓　これでブーブーというノイズはなくなりました。　フロントは音が出ます。

リアが断線していることが分かりました。　多分、修理しようとしてアースが断線して、余計に故障の原因が分からなくなったのでしょう。

あまり効いていなかったのでしっかりめに曲げていきます。

ローポジションに順反りが残っていたのでクランプのかけ方を変えます。

ヒーター修正の結果、90°くらいロッドナットの余裕が生まれましたが、もう少しハイポジションの方に強く効いて欲しいですね。

もうちょっと強めに曲げていきましょう。