グレイボビンのストラト用ピックアップを巻きました。 エナメル皮膜線AWG42で6kΩぎりぎりないくらいのターン数になっています。
ワックスポッティングが完了したところ↓
センター逆巻き逆磁極なども製作できます。
メイプルの埋木を整えていきます。
ここで気が付いたのですが、考えてみたらこのネックのトラスロッドはネックのサイドにありますから、ネック調整のたびにネックを外すわけではありません。 ネジ穴にネジの溝が複数付いているのは、違うボディからこのボディにネックを移植したせいではないでしょうか。
そもそもこのボディにあいているネックジョイントのネジ穴に、ネック側の穴が合っていないことが、センターズレの主な原因ではないでしょうか。
薄板を張りました。
実際にはこの薄板が透けるくらいまで削りながら、ネックがセンターに収まるよう加工していくことになります。
ネックがはまりました。
ポケットのコーナーに余計な掘り込みがあるせいで、ネックが1弦側に傾きやすくなっています。
1弦側だけ薄板を貼り合わせてから削って成形しました。 わずかに1弦側にネックが当たることで、弦の張力がかかったときに、ここを支点にしてネックが6弦側のポケット側面に押しつけられるので、センターズレを自動的に解消するように機能します。
ボディ側の穴の中に接着剤が見えます。 ここにもネジが効かないといけないと思って注入したのでしょうか。 この穴はネジが素通りすべきなので拡げておきます。
正しい位置にネジ穴をあけていきます。
一度ネジを通して、ネジのあとを付けました。
そこに低粘度の瞬間接着剤を染みこませて補強コーティングします。
弦を張ってみました。 これで問題ないと思います。
ポットがバリバリいっていますが、電装関係部品を交換するか、取りあえずこれで弾いてみるか、御相談しましょう。
ワーモスネックが付いたストラトです。
センターズレしていて1弦側がぎりぎりフレットに乗っているような状態です。 原因を探していきましょう、
ナット溝はまあまあ左右均等に切れているので問題なさそうです。
ピックガードの外周が均等でない気がします。 赤いまるのところ↓が狭くなっています。
ピックアップと弦の関係を見ていきましょう。 フロントピックアップは弦より左へずれていますが、リアピックアップが右へずれていますね。 リアピックアップについては、ピックガードが右へ振っていることやブリッジの取り付け位置が左に振っていることが考えられます。
ピックガードのコの字の凹みに対してトレモロが左側ピッタリに付いています。 これもピックガードが右にずれているせいでしょうか。 トレモロの位置はボディに対してどうなっているのでしょうか。
弦を外したら、弦に曲がったあとがたくさん付いていました。 1弦がミャーミャーいっていたのは弦のせいかもしれませんね。
ネックを外そうと思って気が付いてことがこちら。 ジョイント用のネジがボディにしっかりと効いてしまっています。 このネジはボディに効く必要はなくて、ネックを引きよせるためのネジです。 ボディ側のねじ穴は素通りするのが正しいです。
ネジ穴が全て広がってしまっています。
全てに爪楊枝が入っています。
これはボディ側にネジが効いているせいで、ネック側のネジ穴にできているネジ溝を感じ取ることが難しくなってしまっていて、トラスロッド調整でネックを外して戻すたびに新しいネジ溝を作ってしまい、ネジ穴がダメになるという現象です。
ピックガードを外してキャビティを覗いてみました。 コンパウンドとホコリがたくさん入り込んでいます。 これらがポットに入り込んでガリノイズの原因になっています。
ジョイントポケットやピックアップキャビティなどから、このボディが主張しているセンターを確認します。
トレモロの取り付け位置はもしかしたらほんの少し今の位置からズレているかも知れませんが、トレモロの取り付け修正を行うような状況ではなさそうです。
むしろこのトレモロは、取り付け位置を弦と垂直方向にスライドできる仕組みになっています。 ボディのセンターを参考に正しい位置に付けることができそうです。
ネックポケットの両側を薄板で埋めて、ネックぴったりに削ってあげれば、ボディと同じセンターにネックが上手く収まると思います。
ピックガードがズレていることは大きな問題にはならないと思うので、気になるなら取り付けし直しても良いですし、ご予算によってはそのままでも良いと思います。
広がって閉まったネジ穴を補修します。 6Φのプラグを埋め込めるように少し拡げます。
プラグカッターでプラグを切り出します。
タイトボンドで埋めていきます。
このギターで起こっていることを整理すると、ネックポケットがゆるゆるのまジョイントのネジ穴をネックにあけた時点ですでに、ネジに引っ張られる形でネックがどちらかに振っていた可能性もありますし、爪楊枝を差し込んだことでさらにネックがどちらかに移動した可能性が高いです。
今回はまずポケットを作りなおして、正しい位置に来ているネックに正しいネジ穴をあけることで修正を試みます。 ボディ側のジョイントねじ穴は今使われているネジを素通しできる程度に拡張します。