ジャックと配線の交換【マーシャル・ガバナーの修理-3】

樹脂劣化でもぎ取れたジャックの交換です。 基板を全部外しました。

基板を外した

ここで驚いたことが! この電線、5本写っているわけすが、全て天ぷらハンダです。 触るとグラグラします。

ハンダ付けができていない

指で引っ張ったら全部スッポ抜けました。 ハンダに穴が開いているのが見えると思います。 実はトレブルツマミが効かなかったのですが、コンデンサの容量抜けもなく、いったい何が原因だろう?と思っていたら、問題はハンダ付けだったようです。

引っ張ると抜けた

単線は予備ハンダ(ハンダメッキ)するときに接触面積が少なくなります。 金属疲労で折れやすくもなります。 技術も必用ですし、故障のリスクも高いわけです。

配線のマテリアルの持つキャラクターを重視する人は、必要に応じて単線を選ぶことがあるのですが、実際に使ってみるとこういうことが起きる可能性があります。

なので、「信頼性」を重視する技術者はあまり使いたがらないのではないかと思うのです。 こういうことを書くと前に作業した人が気を悪くするかも知れないので、どうしてもゴニョゴニョ言うことになるのですが、ギターやエフェクターの裏パネルを開けて単線が出てきた時点で「これは気をつけないといけないな。」と身構えるのです。

もちろんプロの中にも単線をこよなく愛する人もいるはずなのですが。 ・・・絶対に「音出ずトラブル」が発生してはいけないような武道館みたいな現場にゴニョゴニョ。 ・・・直流リークの大きくなった劣化ビンテージ電解コンをカップリングに入れて、フットスイッチを踏む度にポップアップがバコバコいう機材を平気で現場に持ってきてしまうような基礎的な電子回路知識がゴニョゴニョ。

もしこの線のメッキが酸化しているのが悪いなら、コンパウンドで磨けばハンダ付けできるでしょう。 実際に、スイッチ配線をした私のハンダは今のところはガッチリ付いています。 でも、素性の分からないこの単線をこのまま使うのも今後を保証できませんし、修理中に金属疲労で折れたりしたら余計に修理費用がかかります。 なので配線も全部交換します。

スイッチ側の配線作業は無駄になった

交換するジャックと、すっぽ抜けた配線を外しました。 残ったのは交換済みのDCジャックと修正済みのバッタリースナップだけです。 この時点でこの基板のハンダは全て外したことになります。

部品を外したところ

ビンテージのマーシャル・ガバナーの写真を参考に色を合わせて、ベルデン製の撚り線を取り付けしなおしました。

ベルデンで配線する

ジャックに付いてきたナットがなんとなくゆるく感じるのでナットだけ元から付いていたものを使います。

ナットのかみ合わせがいまいち

配線をやり直しました。 これでまた10年使えるでしょう。

配線をやり直した

音出ししました。 問題なく使えそうです。 ジャックも新しくなりましたし、電池も使えますし、トレブルも効くようになりました。 スイッチ不良による音出ずも直りましたし、スイッチのショートによる発振もなくなりました。

マーシャル・ガバナーが直った

久しぶりに歪みエフェクター作ってみたくなりましたね。


プリアンプが故障しているようです【ジャガーベースの配線修理-3】

新しいバッテリボックスを取り付けたので通電試験をします。 バッテリーのプラス極と、OBP-2の赤い線の間に電流計を入れました。

で、シールドをさしたとたん、テスターが壊れました。

ヒューズが飛んでいます。

ヒューズが飛んだ

あれ?と思って電池側とプリアンプ側を直結すると火花が出ました。 電池は一瞬で熱々。

先にここをチェックすれば良かったですね↓

プリアンプの電源がショートしている

プリアンプの電源ラインとアースがショートしています。

このベースは18ボルト仕様なのですが、これって9ボルトの電池を向かい合わせにして合体したのと同じことが起こっているわけです。 電池が破裂しては危ないので、そんなことはしてはいけませんし、そういうことが起こらないように保管には注意して下さい。

おそらくデカップリングコンデンサが壊れたのではないでしょうか? エフェクターの回路図でよく見るこれです。

デカップリングコンデンサ

電源ラインの電圧を安定させることで、電源ラインを通じて信号がフィードバックして発振したりするのを防ぐ意味のあるコンデンサなのですが、ここにショート方向に壊れるタンタルコンデンサなどを使うとこういうことが起きると考えられます。

アルミ電解は通常、絶縁モードで壊れるはずです。 もちろんプリアンプの中身が分からないので何とも言えません。 どっちみちこの状態を外から修理することは無理です。

と言うわけでプリアンプの交換となりました。


容量性負荷発振?【スティングレイの配線修理-3】

先日基板を修理したスティングレイです。 たまにアンプにつないでみるのですが、まだ少し調子が悪そうです。

ベースツマミを回したときに両端でバチバチ言います。 で、ボリュームを少し絞ると急に調子が戻ります。

まだ少し調子が悪い

実は、初期のスティングレイ・プリアンプの出力部分は、フルボリュームにするとアンプの出力がシールドの持つコンデンサ成分(赤い丸)に直結してしまうのです。

容量性負荷発振

このため、アンプの出力が高周波領域でショートしているようなことが起こります。

出力と位相がずれて反応する容量性負荷に対して、押したり引いたりなんとか制御しようとするオペアンプの挙動が干渉してしまう、容量性負荷発振という現象が起こりやすくなる状態にあります。

なので、出力に直列に入る保護抵抗1kΩが追加される仕様変更が比較的初期になされているのです。 今回もボリュームの前に470Ω~1kΩくらいの抵抗を足してみようかと思います。 それで調子が良くなるような気がするのですよね。


フレットの端を仕上げる【warwick の修理-7】

フレットの両端をカットしていきます。 ステンレスフレットは硬いのでZETTのバッ手が活躍します。

フレットの端をカットする

続いてフレットの両端を削って指板に合わせていきます。

フレットを削る

軽く頂点をすり合わせてみて、ネックの状態をみます。

弦を張ってみる

ネックが動くかも知れないので少しようすをみてから進めましょう。 次はプリアンプの製作です。