これが2回目です。 少しずつ良くなってきています。
できれば思い切り逆反らせておきたいのですがどこまで言うことを聞いてくれるやら。
1969年製のPBをお預かりしました。 ハイポジションの順反りがかなりひどく音が詰まってしまいます。
写真では分かりにくいですが肉眼ではパッと見てわかるハイ起きです。
ロッドナットがめり込んでいますね。
トーンポットのノブが傾いて回ります。
ねじ留めするときにローレットシャフトを押しつぶしてしまったようです。 スペーサーも効いていませんね。 スペーサーを交換しようかと思ったのですが結構スクラッチノイズがするので交換しようかと思います。
ロッドナットにワッシャーを入れておきます。 ただこれに頼りすぎると今修理中のレスポールのようにネックの主材にダメージが出ますので、ヒーター修正とフレットによる指板側からの支えで張力に反発させていこうと思います。
プラグを作ってみたところで一度ロッドを締めてみました。 プラグが押しつぶされるだけでロッドが引き出されてきていないようです。
ネックの反りも変わりません。
プラグが押しつぶされてしまいました。
ベンドロットは両端の木部に強い力がかかりつつ、ロッドが引き出されてくることで反りが変わる仕組みですが、ネックの主材が柔らかくその両端がつぶれてしまっているのです。
以前のリペアで詰め込まれたエボニーのプラグもさらにマホガニーを押しつぶして、ロッドが出てくる穴に向かって圧縮されてしまい、トラスロッドのねじ切り部分をくわえ込んでしまったのだと思われます。
ネックが反ったときにさらに締め込んだと思われますが、その力はロッドを引き出すようには効かず、ここの木部を破壊する力になってひび割れて指板を持ち上げて剥離を起こしたと考えてよいでしょう。
ロッドの反対側の写真です。 ドライバーの先にある黄色いものが接着剤で、最初はトラスロッドに接触していたようで、ロッドの形に固まっています。 しかし今では2ミリくらい隙間が空いています。
この隙間分こちらの端も木部の圧縮が起こってしまっているのでしょう。
このネックにはベンド式のロッドは使えないのではというのが新しい結論です。 2ウェイロッドなど、ロッドナットの力を木部ではなく、トラスロッド自体で受け止めるようなタイプのものに交換するしかないと思います。
ただでさえ柔らかいネックでこれ以上掘り広げたくはないので6ミリ径くらいまでの溝で仕込めるトラスロッドを探します。
このネックはどんどん大がかりになりますね。