ポットにノブを付けました。 配線をまとめる粘着フックを内側に貼り付けました。
弦を張って音が出ました。
これはなかなか素晴らしい音がします。 パッシブでこれだけアコースティックな音が出せるとはとても大きな収穫です☆
ミュートロンの回路構成がなんとなく分かったので掲載しておきます。
入力部は反転アンプです。 ここからフィルター部と制御系に分岐します。
まず制御系からです。 入力信号の振幅をオペアンプを使った理想ダイオード回路で直流に直しているようですね。 その先の4.7μFの電界コンデンサの容量を変えたら充放電の時間が変わってフィルタの反応が変わりそうな気がします。
ドライブというスイッチがありますが、これはアナログフォトカプラのLEDをどうドライブするかというスイッチです。
強い入力に対してLEDが点灯するのか、逆に点灯していたものが消えるのか。
正確には分からないのですがオペアンプの反転回路と非反転回路を入れ替えるような仕組みです。 この回路図が合っているのかも分かりませんし大まかな検討だと思って下さい。
肝心のフィルタ部はステートバリアブルフィルタです。 3個のオペアンプを使用する複雑な回路ですが、カットオフ周波数とゲイン幅とQのパラメータを自由に決めることができます。
パラメトリックイコライザーを動作させるためのバンドパス信号を取り出す回路としてよく使われます。
オペアンプの間に220kオームの抵抗がふたつありますが、ここを変化させることで周波数を変えることができます。 そこにアナログフォトカプラのCDS側をつないであります。 CDSは光が当たると抵抗値が下がる性質があるので、入力の強弱に合わせて制御系がLEDを点灯するとフィルターの周波数が可変することになります。
ステートバリアブルフィルターは3カ所から信号を取り出すことができます。 場所によってハイパス、バンドパス、ローパスとなります。 ミュートロンにはこれらを選ぶスイッチが付いています。
というわけで、エフェクターとしてはかなりの飛び道具ですが、内部の回路は非常にスマートにできています。
最後に電源部です。 このエフェクターはグラウンドを中心にプラス9ボルトとマイナス9ボルトで動いています。
回路図を見ていて気がついたことがあります。
このエフェクターは電源に問題があります。 電池を入れたままアダプターをつなぐと、電池の両端に電源アダプターの電圧がかかります。 つまり減った電池を充電してしまうのです。
充電式でない電池を充電するのは破損することもあるので危険です。
今回の故障の原因はおそらくこれです。 電池を入れたままアダプターをつなぐ。 電池が液漏れを起こす。 電池から漏れた液が基板面に着く。 基板パターンが腐植して絶縁を起こす。
事故調査委員会のようにトラブルのシナリオが書けてしまいました。 古いミュートロンを使っている人は気をつけて下さいね☆