分解してチェック【Phantomのマンドギターの修理-1】

ファントムというブランドのマンドリン型エレキギターですね。 気になるところがあるので修正していきます。

マンドギター

どうもネックが1弦側へ倒れて弦落ちしています。 ネックの角度さえ変えれば、ピックアップのセンターも、ブリッジのセンターも、ネックの付け根のセンターも、ほぼ真っ直ぐそろうので、6弦側の先端を削って、1弦側の側面に薄板を貼るなど対策しましょう。

また、このシムは、ネジを締め込むとハイポジションが順反る方向に力がかかりますので、ネジが通る穴があいたものを作り直しましょう。

シムを作り直したい

ブッシュが浮いているのが気になります。 6連のペグなので、穴間隔がずれていて変な力がかかっているのかも知れません。 そこを直し始めると大変なので、とりあえずブッシュを押し込んで固定するだけにとどめることになりました。

ブッシュが浮いている

ピックアップがねじれているのですが、どうやら本体のネジ穴とカバーのネジ穴がずれていることが原因のようです。

カバーのネジ穴が本体とずれている

すこしカバーの穴を拡げましょう。

ボビンにコイルを巻くことで、ボビンが変形したのが穴ずれの原因なので、部品の設計が間違っているというほどではないですし、ボビンが変形することを、むしろエレキギターの美しさだととらえるビンテージピックアップファンもいますね。


配線改造【バッカスのオールドプレベ型ー4】

ボリュームに相当する抵抗なし&トーン、250kΩの抵抗あり&トーン、ボリューム0(が4ポジション)という配線です。 将来的にバリトーン回路を積む可能性があるので2回路6接点のスイッチが登載されています。

配線図

実際に配線したところがこちら。

スイッチの配線

ノブのネジでスプリットシャフトが潰れないようにスペーサーを入れます。

スペーサーを入れた

改造が完成しました。

改造が完成

250kΩの抵抗が入っているかどうかはスラップした時のフレットに弦があたる倍音で分かる程度ですね。 トーンも切り離したフルアップにしたらもっとその傾向がハッキリ出た高域がきつい音になると思われます。


ルーティング【バッカスのオールドプレベ型ー3】

スイッチがキャビティに干渉するので掘ります。 今回はトリマーを使いました。

ルーティング加工

このくらい掘りました。 ここは導電塗料の塗り直しですね。 先に気づけば良かったのですが順番がこうなりました。

ルーティング部分

無事に取り付けられそうです。

ロータリースイッチが収まった

ロータリースイッチの軸が長いので切り取ります。 万力にはさむ時はこっち側をつかむと良いですよ。

スイッチの柄を短くする

ここで問題が発生。 ノブが入りません。 どちらも6ミリの規格なのだと思うのですが、軸が6ミリより太くて・・・

軸が太い

ノブが6ミリより狭いという逆仕様です。

ノブの内側が狭い

手作業で軸を細くしました。

軸を削って細くした

 


弦がポールピースに当たらないようにする【弦高が下がらないPBの修理-8】

古いプレベを模した楽器なので3弦のポールピースが飛び出ています。 弦が当たりやすいのを何とかして欲しいと言うことなので対策をしましょう。

その前に、ノブの取り付けです。 メタルノブの締め付けネジを目印にしたいということなのですが、スプリットシャフトを押しつぶす力が加わってしまうので、ポットスペーサーをはさみました。 これはモントルーの製品です。

Pot Spacer for CTS

ゴム足をピックアップに張ってみてはどうかと思ったのですが、うちにあったものでは大きすぎるようです。

ゴム足が大きすぎる

ポールピースが3ミリ飛び出していて、3ミリと5ミリ厚のゴム足しか売っていないので、カバーの下に1ミリ厚の薄板をはさんでカバーをかさ上げしました。

スペーサーを入れる

こんな感じになりました。

小さいゴム足を買ってきた

当面これでしのげそうです。


ネックポケットの謎【テレマスターの組み込み-2】

まずはネックの見積もりを木工屋さんに出してもらうわけですが、そもそもネックポケットはどうなっているでしょう。

ヤマ楽器のオーソドックスなテレネックのエンド幅は56ミリらしいのですが、まあまあ合っていますね。 意外です(笑)

ジョイント部は意外にオーソドックス

ただ、両側の壁が底に向かって狭くなっています。 壁に押し当てたら直角定規がこうなります。

両サイドが傾いている

2ピースの接着面がセンターに平行だとするとまあまあ真っ直ぐジョイント穴もあいていますね。

おおよそ合っている

謎の多い楽器になりそうです。