お客さんの鳩時計を修理する(できませんでした)

鳩時計を修理できないかということでお預かりしました。 想像していたより大きいです。

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時計機構はメーカー修理できたそうですが、鳩時計の仕掛けは修理受け付けしてくれなかったそうです。 「バッテリーボックスの線が切れているのでバッテリーボックス交換をすれば動くのではないか」ということでした。

裏側

魅惑のワルツ。 じゅとぅう゛ぅ。

魅惑のワルツ

型番は分かりましたけれど、ネットにもあまり情報はありません。

型番など

お客さんがバッテリーの線と言っていた物はこの2本なのですが、これはメイン基板とサブ基板をつなぐ制御系の電線で、バッテリーボックスの線はつながっています。

制御系の配線

下から覗いた写真↓の画面中央にある2カ所がもともとつながっていたところです。 振り子が右よりで止まっているので、ここにハンダごては入りません。

つながっていたところ

茶色い線が制御系の電線で、その先にあるサブ基板の黒丸のところに電解コンデンサがありそうです。

制御系のつながっているところ

緑色の電解コンデンサが見えます。

電解コンデンサが見える

下の写真の、青丸で描いたメイン基板の電池のマイナス側とつながっているところが青矢印で、もうひとつがつながっているところが黄色矢印です。 おそらく、青にサブ基板のアースをつないで、サブ基板の制御系の電線は黄色につなぐということでしょう。

左のスイッチでこれらをつなぐと鳩やオルゴールをコントロールするサブ基板がONになるようです。

スイッチ周り

ハンダごてがはいるところまで配線を迂回してつないでみました。

一応つないでみた

で、バッテリーボックスに電池を入れる前にチェックをしていたら、サブ基板のバッテリーボックスのプラスマイナスがショートしていることに気が付きました。

電池ボックスがショートしている

試しにバッテリーのプラスを基板から外してみたのですが(ピンセットでつまんでいる線)、やはり電源が他のところでショートしているようです。

基板が原因でショートしている

つまりこの故障はバッテリー以外の、駆動部や制御基板上での電源ショートが原因で、バッテリーボックスの液漏れした痕跡は、あくまでも故障の結果だということがわかります。

液漏れは結果であって原因ではない

ではサブ基板状の部品を全て入れ替えれば良いのかというとそうとも言い切れません。 モーター付近などいろいろなところでの故障も考えられます。

基板部

メイン基板側の電池を入れると、時計は動きますが、振り子のギミックがそもそも動いていません。

振り子が動いていない

と言うことは、落下などのダメージでギアが壊れているか、メイン基板の方にも故障がある可能性があります。 こちらのせいでサブ基板も壊れたと言う可能性もありえますね。 赤いところがメイン基板で、黄色いところは振り子が白い粉を吹いている部分です。

メイン基板もあやしい

こうなるともう根本的な原因の可能性はこの仕掛け時計全体に拡がってしまいます。 時計屋さんに依頼しても部品取りのためにニコイチしないと直せないのではないかと思います。 せめて振り子が動いてくれていればサブ基板の部品全取っ替えという手間をかけられたかもしれませんね。

というわけで、調べ尽くした結果、これはたぶん直せないということが分かりました(苦笑)

 

 

※追記 このあと持ち主に確認して、振り子は輸送用にロックが効いているだけで動くことが分かりました。 メイン基板はメーカー修理されているとのことで鳩は出ることが分かりました。 ・・・と言うわけで続きます。


モントルー製バダス型ブリッジの取り付け【レスポールスペシャルのブリッジ交換とフレットのすり合わせー4】

ブリッジを交換していきましょう。 ギブソンのレスポールスペシャルはアンカーにマスキングテープが張られています。 スタッドを引き抜くときにこのテープと一緒に塗装がピラピラするので怖いですね。

マスキングテープ

塗装をカットして、テープを取り除きました。

テープを剥がした

で、注目のスタッドですが、やっぱり入りません。 どうもピッチが微妙にギブソンのアンカー側とズレていて、15mmくらいまでしか合わないようです。

またはまらない

と言うわけでグラインダーでネジ山を落として、ネジの入り口を目立てヤスリで作り直しました。

削った

ブリッジの位置はあらかじめ大まかにオクターブチューニングの位置を調べて決めてしまいます。

オクターブチューニングを大まかに

リアの1弦ポールピースとフロントの6弦ポールピースの位置で今回の弦の位置が決まりそうです。

弦位置を決める

弦溝を作りました。

弦溝を切る

オクターブチューニングを合わせました。

弦を張った

レスポールあるあるですが、3弦と6弦の弦高が上がりがちになっているので、弦が落ち着いたらサドルの溝をもう少し削って合わせていきましょう。


フレットを仕上げた【レスポールスペシャルのブリッジ交換とフレットのすり合わせー3】

フレットを丸めていきます。 フレットを仕上げるということはバインディングの部分も丸めることになりますが、フレットサイド以外のバインディングの角もとがっているので少し丸めておきました。 握りやすくなりました。

バインディングを仕上げ直す

フレットをピカピカに仕上げました。

フレットを仕上げた

ブリッジをモントルーバダスに交換していきましょう。 今回はスタッドが無加工ではまるのかどうかが気になります。


フレットのすり合わせ【レスポールスペシャルのブリッジ交換とフレットのすり合わせー2】

フレットのすり合わせをします。

フレットのすり合わせ

弦を張ってみて、実際にギターを弾くときと同じ角度に構えた状態でフレットの頂点がそろうように、弦を張ったままあと少しフレットを削ります。

フレットのすり合わせ

このあと、フレットを丸めて仕上げます。