ピックガードが未入荷なのでボディのルーティング加工がまだできません。 先に塗装してからネック側ピックアップやコントロール・キャビティを掘ります。
というわけで他の部品の手配も始めていかなければいけませんね。
なぜか反対向きに付いていたコントロール・キャビティのブラスプレートは無事に取ることができました。 さりげなく正しい向きに戻しましょう。
ピックアップ取り付けビスの穴を埋めたので新しく開け直します。 位置出しは現物あわせで。
こんな感じ。
ブラスプレートをつないでいきます。 弦アースも含めて母線でジャックへつなぎます。
ここまでやるとアッセンブリーの配線も気になってきてしまいます。
ここもやりなおしました。
ピックアップからの線もつないで完成です。
ヒーター修正をしたネックを取り付けました。 木が柔らかいのかかなり逆反った状態から弦を張らなければいけません。
今のところとても良いコンディションですが、張力をかけてしばらく様子を見ます。
ハイブリッドJBピックアップの写真です。 配線を出すハトメ部分が普通よりひとつ多いです。 内側の層がフォームバー皮膜線になっていて中央のハトメ部からタップ線を出すことで’70s風のサウンドが得られます。
JB用ハイブリッド・ピックアップBJJ-HY.の商品ご紹介ページはこちら
その外側にエナメル皮膜線の層があってフルにならすと’60s風のサウンドが得られるようになっています。
ポールピースの面取り、ボビンの組み立て、コイルの巻き上げまで全て手作業で製作しています。
コイルを近くで見ると、手送りでランダムに巻いているのが分かってもらえると思います。
着磁が完了して配線材を取り付けたところです。
ルーティングしたボディの方は、導電塗料の再塗布を行いました。 ここからアース線の取り付けです。
もとの配線では全てのキャビティからでたアース線はポットの背中に集まっています。 これはおそらく全て同じ長さの線を使用できるという製産時の都合ではないでしょうか。
「厳密に言えばどこにアースを集めるかでも音が微妙に違う」という研究を10年前ギタークラフト科時代していたのが後にフジゲンカスタムハウスの店長になった東原くんなので実は深い理由があるのかもしれませんね。
もとの配線はこんなかんじ↓
とは言え線が複雑になってメンテナンスがしづらくなるのを避けるため、今回はキャビティの導電塗料を結ぶアース線はコントロールキャビティ部で弦アースと一緒にまとめて母線をジャックに引きました。
楽器の場合、慣例的にボリュームの1番端子をポットの背中につなぐので、その段階でシグナル・グラウンドとフレーム・グラウンドが接していますので1点アースはそもそもほどけています。 そのあたりもまたいずれ書きましょう。
完成した配線はこんな感じ
楽器を組みたて直しました。 スイッチが4回路も入ったかなり複雑な配線ですが、収まるように作れたので何の抵抗もなくコントロールパネルが閉まりました。
弦を張ってしばらく置いておきましょう。 もうすぐ完成です。
スイッチポットを利用したジャズベースのシリパラ配線にはこれと・・・
これがあります。
上の配線パターンはSonicのターボJベースに採用されているものです。 ラムトリック時代にたくさん製作しました。
今回FUJIGENのJBタイプを分解していて気がついたのですが、以下のような配線が採用されていました。
そういえば確かにこれでも動きますね。 今まで全く気がつきませんでした。 なぜ今までこの配線と出会わなかったのでしょうか。
考えていて分かったのですが下の配線は、ひとつ上の配線とほぼほぼ同じで、斜めにショートカットせずにスイッチの接点をひとつ多く経由しています。
考えられるデメリットは・・・
「スイッチ故障のリスクが無駄に増える」
「スイッチポットは多くの場合オープン方式なので切り替え時に音が一瞬途切れるが、スイッチが多く挟まることでよりながく信号が途切れる方の影響を受ける」
などがありそうです。
一方メリットはスイッチのハンダ付け端子の穴を広げたり端子の向きを斜めにしたり、さらにはジャンパー線の絶縁をする手間なく手早く作業が可能であることでしょう。
たいしたデメリットでもないですし、この配線を選ぶのも作業の1秒1秒を削り出す努力の賜と言って良いでしょう。 こうやって価格と品質の両立をうまく両立した楽器をユーザーに届けているのだなあと感心した話でした。 このベースは勉強になることが多かったです。 小さな修理工房では考えないような工場ならではのアイデアにとてもドキドキしました。
レリック加工をしたテレネックPBを組み込みます。 ネックコンディションをシビアに気にされるお客さまのベースなので今回の木工加工はヤマ楽器さんにお願いしました。
少し太めのネックグリップ、大きめのポジションマークです。 トラスロッドアジャスト部の強度やヒーター修正のしやすさを考慮してボディ側アジャストで張りメイプル指板仕様になっています。スカンク・ストライプはありません。
フレットは生地研磨しやすいように仮で打っておいてもらいましたが、ここからジェスカーフレットに交換します。 ハイポジションだけ細いフレットを打ちます。
ボディの追加キャビティのルーティングはこれからです。 ネックポケットがテレネック似合わせて四角くなっているくらいで他はまだ普通のPBですね。
雰囲気だけでもと、ネック側に載せる予定のEBタイプのピックアップカバーを載せてみました。
どうなるのかワクワクしますね! お客さまの中での構想はもう何年にも渡っていますし、私と具体的な打ち合わせを始めてから早くも1年くらい経っています。私も早く完成が見たいです。