弦を張って反りを確かめる【78年製テレキャスターのチューンナップ-10】

6フレット付近にトラスロッドが効いているのでやっぱりローポジションが逆反ってしまいます。

6フレット付近を削るしかない

やっぱり指板のこのあたりを研磨するしかなさそうです。 多少ハイポジションに順反りが残っていてもフレットを打つときに溝の広さをコントロールすれば逆反り方向に持って行けると思うので、そこも見越して良い具合に削りましょう。


電源について【Kiihlの5弦フレットレスベースの改造-2】

この電源ICを使って

電源IC

ダイオード2個、電解コンデンサ3個くらいの基板を作れば9ボルトを18ボルトに昇圧できるみたいです。

ボルテージダブラ

エキゾティック製のボルテージダブラやケンタウルスに入っているのも、おおよそこういう感じの回路ですね。

複雑な回路ではないのでこれも登載すればBCP-2Mの18V駆動は可能です。

ですが、プリアンプ2台を動かすのには2台分の消費電力が必要です。 しかもひとつは楽器に内蔵することを考慮していない外付け機なので、低消費電力タイプではないオペアンプが使われています。

電源IC自体も電池を使って動作するのでこれらの消費電力でひとつの電池がどれくらい保つかということは考えておいた方が良さそうです。

電源ICが3mA,fishman model Bに使われているオペアンプが2チャンネルで計3.6mA(わりあい省エネなICみたいです)、BCP-2Mは1mAかもう少しくらい。 9Vの乾電池は確か500mAhくらいだったと思うので60時間くらいですかね。 このくらいなら問題ないかも知れませんね。

おそらくModel Bはピエゾを高い入力インピーダンスで受けたいからFET入力ICを使っていると思うのですが、このベースはその前にバイポーラトランジスタのエミッタ接地回路が付いています。 これでは入力インピーダンスが下がってしまいます。

ピエゾピックアップは意外とローインピーダンス入力でもちゃんと鳴るので良いですけれど、やっぱりこのベースはメーカー以外の人が自分で改造したと思われますね。 通電前にしっかりチェックしましょう。 爆発しないように苦笑


ご要望を整理する【Kiihlの5弦フレットレスベースの改造-1】

5弦のフレットレスベースをお預かりしました。 Kiihlというブランドのベースです。

Kiihlの5弦フレットレス

トラスロッドカバーがありません。 このテープに描かれたデザインでブラスで作ります。

ヘッド部

指板とネックの間に段差があって気にされているようですが、特に問題はないと思います。 あっても今のところできることがないと思います。

指板エンド

ここにスロープが付きます。 なるべく指板と段差がないような位置でネジ止めできるようにします。

スロープ

ピエゾピックアップ付きのブリッジです。 ここの動作確認もしましょう。

ピエゾブリッジ

断線しがちなバッテリーボックスを止めてキャビティ内にバッテリーを入れて欲しいということなのですが、コントロールキャビティはギュウギュウになりますし、ここはここで空洞なので何かしらの工夫が必要になります。

バッテリーボックス

コントロールは金ノブが付いているところが左からマグネティックピックアップボリューム、ピエゾピックアップボリューム、ノブ無しのところは今回特注で作るローミッドの周波数可変とブーストカット(2kHzブーストも半固定抵抗でキャビティに内蔵する。シールドケーブル分の容量を追加するコンデンサは今回は無しで、18ボルト駆動仕様)、黒いノブのところがピエゾのトレブル&ベースになります。

コントロール部

今の配線はこうなっています。

今の配線状態

トランジスタ1石ブースターが付いています。 こっち向きでユニバーサル基板を使うのは珍しいですね。 ショートしそうです。 いらないのではないかと思いますが、これを使うなら作り直します。

謎の基板

パッと見た感じこういう回路だと思います。

エミッタ接地回路

左のポットはパッシブトーンみたいですがBカーブなのが変です。 あとから改造したのでしょうか。 右のポットは・・・

ボリュームとトーンみたい

基板のPV(Potentiometer Volume?)につながっています。 ボリュームですね。

PVにつながっている

隣にトレブルとベースがあります。 ここから配線を出し直せば良さそうですね。 Fishman Model B Bass Pre-ampという外付けのプリアンプから基板を抜いてここに取り付けたもののようです。

Fishman Model B Bass Pre-ampの基板ぽい

赤い線が1本切ってあります。 黒い線は撚ってあってそのままジャックのリング端子へ。 つまりこの基板は現状9Vで動いていることになります。 もともとModel Bは9V電池ひとつで動くようです。

9V駆動になっている

1本の楽器でひとつの回路を9V、もう一方を18Vで動作させるには工夫が必要です。 電池を3個使ってスイッチ付きジャックで9Vと18Vをそれぞれオフにできる機構にするか、ボルテージダブラ回路を追加して1個の電池から18Vを作って別々に供給する必要があると思います。

明らかに改造した形跡があるので慎重にチェックしてからプリアンプに通電→ピエゾピックアップのチェックをすることにします。


ブリッジの交換【レスポールスペシャル(20250601お預かり)のナット、ブリッジ交換-9】

フレットクリーニングしておきました。

フレットクリーニング

スタッドを取り替える前に、アンカーに付いているマスキングテープと塗装を掃除しておきます。

マスキングテープの清掃

ブリッジの大まかな位置を出しておきます。

ブリッジの位置出し

ポールピースから外れない範囲で、指板と弦の隙間が均等になるように1・6弦の位置を決めます。 ここから5等分します。

1・6弦の位置出し

弦溝を作りました。

弦溝を作る

弦を張ったらこんな感じです。

弦が張れた

弦がなじんだらナットの弦溝を追い込んで、全体の調整をすれば完成になります。