ポットを交換して
フレットを抜きました。
昨日オーナーさんが注文したピックアップがサウンドハウスから直送されてきました。 早いですね。
線を剥いて・・・
パラレルに配線します。
配線はこんな感じ↓
音はちゃんと出ました。 ですがやっぱりノイズが多いですね。 サーとザーの間くらい。 ホワイトノイズとピンクノイズの間くらいのイメージです。
タンタル電解コンデンサ(青くて丸い部品↓)がたくさん使われています。 ショート方向に壊れることがあるので、基板上をチェックしました。 特にショートしているものはなさそうです。
電池は9ボルト近く出ています。 例えば電源のカップリングコンデンサがショートしてたらここはおそらく0ボルト近くになって電池が発熱しますね。
消費電力が増えたりもしていないようです。
せっかくオペアンプがソケットになっているので新品に交換する実験をしてみます。
このICももう作っていないらしいので、たまたま手元に残っていて良かったです。
現行のデュアルオペアンプを使って、同じ回路の前段に反転バッファを入れる回路を以前考えたことがあるので、将来的に基板ごと交換しなければいけないような修理品が出てきたらそっちのプリアンプを新たに作っても良さそうです。 そうすれば1MΩのCカーブではなくてBカーブでも良くなりそうですし。
オペアンプを交換しました↓
さすがにトレブルをフルブーストするとサーというノイズが出ますがこれは常識的な量でしょう。 ICが不調だったようです。あるいは周辺部品の経年変化で定数が変わってきてICの個体差にによっては問題が出るということもあり得ますが、これ以上どの部品がどう変化しているか追求するのは、完全分解しない限りは難しそうですから、今はやめましょう。
電源の電圧と消費電流をもう一度チェックしておきます。
基板を貼り付けていたクッションは、チェックのために剥がしたので張り替えました。
これで修理が完了です。
奇跡的に部品を持っていたので無事に直りました。
最近、ノイズが増えた気がするというスティングレイです。 楽器店で見てもらったらコントロールパネルを開けるときにベースコントロールの基板が引っかかって割れて音が出なくなったそうです。
斜めに付いているので持ち上げるときに引っかかったんでしょうね。
古い部品なのでほとんど手応えもなく割れてしまったのでしょう。 100kΩAカーブのポットに交換しましょう。
交換したら音が出ました。 プリアンプはどのツマミも効いています。
確かにノイズが多いのでピックアップを鉄製の工具でトントンしながらアンプから音を出してみます。
リア側のコイルが高域しか出ておらず、トレブルを絞るとほぼ無音になります。
これはピックアップの断線です。 コイルの途中で断線すると、コイルワイヤー同士の線間容量を通り抜けて高域だけ漏れ出るように音が出ることがあります。
シングルコイル状態で鳴っているからノイズが多かったのかも知れませんね。 ハムでならすこと前提でピックアップ周りがシールドされていない構造なのでここが原因である可能性が高いです。
断線箇所は見つからず、ハトメ部の再加熱でも直らないので、ノードストランドのピックアップに交換することになりました。
ピックアップの磁力を計測してみます。 オーナーさんの思っていたとおり磁力は控えめでアルニコ4の可能性が高いですね。
配線はこんな感じになっていました。 ここが基板になっていて、P-90が4芯のコネクタになっているタイプは磁力が強かったので、このピックアップはヒスコレによく付いているタイプなのでしょうか。
弦の位置を決めていきましょう。 左右対称にしつつポールピースから弦が外れない位置にするとこの辺りになります。
弦溝を作ります。
細かい部品が共鳴しないように低~中粘度のネジロックで固定しました。
トラスロッド、弦高、オクターブチューニングなどの調整を大まかに済ませました。
弦が落ち着いて特に変化がなければ完成です。