部品の推察【音が小さくなってしまったスペクターの修理-3】

新品の基板に交換しようかと思ったのですが・・・

BTコントロールの画像を検索していてAのパーツに1502と書かれていることが分かってきました。 15kΩのチップ抵抗ですね。 2012サイズの15kΩは手に入ります。

部品の推察

部品Bですが、いろいろなBAX型EQの回路図を見てみたところ、周りの定数によりますが、0.033~0.068 μFとか比較的狭い範囲の容量のものが付くことが多い気がします。

おそらく、ポットが50kΩか100kΩかになるので、周辺部品の定数も似たり寄ったりな値に収まるのではないでしょうか?

0.047μFの積層セラミックコンデンサを暫定で付けてみて、常識的な音域で低音が変動すればOKみたいなチャレンジをしてみることにします。


部品が欠損していて直せない【音が小さくなってしまったスペクターの修理-2】

ステレオケーブルを使ってジャックの配線が正しいか確認します。 問題ありません。

TRSケーブルで接続を確認

プリアンプを降ろしました。

プリアンプを降ろした

こちらが基板です↓ 6個ある大きいマルになっているハンダ付け箇所がポットがつながっているところで、下側3個が今回、オーナー様のお知り合いがポット交換でハンダ付けしたところです。

基板

分かりにくいですが2個部品がなくなっています↓ おそらくハンダ吸い取り器に吸い込まれたのではないでしょうか?

部品が足りない

図で描くとこうなっています↓

2個の部品が欠損

回路図で描くとこういうことになっています↓  部品Aはおそらく抵抗器、Bはコンデンサだと思います。

回路図で言うとここ

なぜなら、もしこの回路がBAX型のイコライザーだとするとこの赤い点線で囲んだ部分に似ているからです↓  部品Aがなくなることで低音の通り道がなくなってしまうので、症状とつじつまが合います。

もしBAX型イコライザーだとするとここ

「EMG BT schematic」などで検索してもかからないので、たぶん分解して回路図を起こした人がいないのでしょう。 写真なども調べましたが、チップ部品なのでコンデンサの定数が分かりませんでした。

というわけでトラブルシューティングの仕上げにピックアップをジャックに直結してみます↓ 元気いっぱい音が出ているのでイコライザー基板が原因です。

ピックアップを直結する

基板にはBTと書いてあります。

BTコントロールで間違いなさそう

コネクタ方式になった現行バージョンが手に入るみたいなのでそれを取り付けるのが良いと思います。

ベースを譲り受けてからつい最近まで、ベースツマミのノブが折れたまま使っていたそうなので(ベースはフラットの位置で折れて止まっていました)、プリアンプでの音作りはほとんどしていないのではないでしょうか?

なくても良いとまでは言いませんが、メイン機だそうなので少なくとも部品が届くまでのあいだ、ピックアップ直結で使っておくのもいいかもしれませんね。


完成【グレコのリッケンバッカー風ベースの改造ー36】

ピックガードアッセンブリーを完成させます。 フロントピックアップをつないで、ジャックを交換します。 リアピックアップのトーンコンデンサがボリュームの2番、フロントピックアップのトーンコンデンサがボリュームの3番につながっているので3番に統一しました。

ジャックは交換したい

ネジ穴が緩くなっていたところを修理しました。

ネジ穴をあけなおした

ピックガードアッセンブリーをボディ側のリアピックアップとつないでいきます。

PGアッセンブリーの取り付け

弦を張っていきます。 ネックが外れないのでこれは仕方が無いのですが、サドル上であまり弦の角度が付きません。 強く弾くと暴れます。 ただそういう音がアンプから出るのも気にならないような音色ではあります。 

弦高も高いですし、クセがつよいベースということで楽しめば良いと思います。

弦の角度が弱い

閃輝暗点ベースはこれで完成です。 マッチングヘッドにしたので、コピーモデル名が入ったロッドカバーはこのまま外しておいても良いのかもしれませんね。

完成


ブリッジとペグと取り付ける【グレコのリッケンバッカー風ベースの改造ー35】

ブリッジの位置が1弦側によっていたのでネジ穴をあけなおしました。

ブリッジの位置をずらした

塗装を面取りしていきます。

面取り

ペグブッシュを固定します。

ペグブッシュの取り付け

裏側の塗装もついでに面取りしてからペグを取り付けます。

ネジ穴の面取り

導電塗料をアース電位につなぐための準備をします。

アース周りの配線

ブリッジが特殊な形をしていて、ネジの周りしかボディと接しないようです。 弦アース線がブラブラ遊ぶと良くないので、銅箔シールにハンダ付けして固定します。

そこからスプリングワッシャーをネジに通して弦アースを取ってみます。

弦アース


その場で2本メンテナンスした

ストラトとレスポールを持ってきて頂いたので、今日その場でできる簡単なメンテナンスをしました。

弦交換、ネック調整、弦高、オクターブチューニング、ピックアップの高さ調整などをしました。

弦が古くなっていたことと、フロントピックアップが弦に近すぎて磁力に弦が引っ張られていたことによって、オクターブチューニングがずれていたのですが、調整によって解消しました。

ストラトのメンテナンス

こちらはほぼ新品のエピフォン製レスポールスタンダード。 こちらも弦交換、ネック調整、弦高調整、オクターブチューニングなどをしました。 ピックアップの高さはそのままでも良い位置でした。

トラスロッドはツーウェイが入っていました。 真ん中に溝が通っているので、ロッドカバーは3点留めになっています。

レスポールスタンダードのメンテナンス

3弦のオクターブチューニングが合いません。

オクターブが合わない

ストッパーを外して3弦のサドルを裏返しました。 これでオクターブチューニングが気持ちよく合いました。

サドルを裏返した

弦の張力とつり合うことで反りを維持するベンドロットと比べて、ツーウェイロッドは自力で反り具合を維持しようとするので、低価格帯の(もしかしたら柔らかいかもしれないネック材を使った)ギターと相性が良いです。

オーバーバインディングになっていたり、ハンドメイドインチャイナみたいなシールが貼ってあったり、ちゃんと作ろうという気概が感じられますね。

ギブソンブランドにこだわりがなければこのギターは良い買い物のような気がしました。 個体によって手直しが必要な箇所が合ったりするかも知れませんけれど、手を入れる価値があるギターのような気がします。