ピックアップキャビティのルーティング【フェンダーメキシコJBの修理-4】

ゴムスポンジは経年劣化で固くなってしまいがちなので、こまめにピックアップの高さを調整できるようにするにはスプリング内蔵型のスポンジを入れるのが良いです。

ただスプリング内蔵型のスポンジを使うには、経験上キャビティを20ミリくらいの深さにしたいです。 今が18ミリ。 あと2ミリ掘りたいです。

あと2ミリ深くしたい

ベアリング付きトリマービットで追加加工しました。

ピックアップキャビティのトリマー加工

ピックアップ取り付けネジの下穴がかなりずれてあいています。 これもピックアップがキャビティ内側に接触して上下調整しにくい原因になっていました。 ここも埋めてあけ直したいと思います。

ネジ穴がずれている

ピックガードをこのリアルセルロイドピックガードに交換させてもらうことになりました。 フェンダー・メキシコのピックガードよりグッとヴィンテージっぽくなります。 装着して弦を張ったらおそらくもうメキシコに見えないんじゃないかと思います。

リアルセルロイドピックガード

ピックガードが変わることで位置が変わるねじ穴は以下のようになります。

ピックガードのネジ穴埋め

ピックアップ取り付けネジの穴も埋めました。

ピックアップ取り付けネジの埋め直し

明日、スポンジが到着しますので作業が進みそうですね。

ネックの仕込み角を変えてもう少し背面に倒したいのですが、シムで対応するのか、ボディ側のジョイント角を変えるトリマー加工用治具を作るかそろそろ考えないといけませんね。

ハイポジション起きしがちなネックを抱えているのでハイ起きの原因にもなりがちなシムは避けたいものです。


まずは状態のチェックから【レスポールカスタムのメンテナンス-1】

3フレット付近で音がつまるということでお預かりしました。 どういう状態なのか確認していきましょう。

レスポールカスタム全景

ネックの1弦側より6弦側の方が順反りが強くなっています。この時期のメイプル3Pネックにありがちな左右の反りの差が出ています。ヘッドも少し1弦側へ振っています。

その上でハイポジションの順反りが強く、それを修正しようとトラスロッドがネックの中央を持ち上げて逆反っているので3~7フレットでビリつくというようなやや複雑なことになっています。

ネックの反りとチェック

しかしそれにしてもビリ付き方が極端で何か他の原因もあるような気がします。

ブリッジ周辺かと思われる謎の共振があります。 3弦のハイフレットを鳴らしたときに顕著でまだどこで鳴っているかわかりません。

ブリッジがどこかのタイミングで逆転した形跡があるのも少し気になっています。

共振している

1弦のサドルに6弦のあとがあります。 ビグスビー登載ギターではこのブリッジを逆に付ける方がオクターブ調整がしやすいので、もしかすると一時期今と逆に付いていたのかもしれません。 サドルの向きからしてこの向きで工場出荷されていそうですが。

もしかしたらサドルも良くないことになっているかもしれません。 このタイプのサドルは溝が深くなるとサスティーンがなくなることがあります。

原因が分かるまでじっくり調べようと思います。