ブッシュの浮きについて【コラム】

ペグポストを受けるためにヘッドに打ち込まれている筒状の部品をブッシュといいます。

このブッシュが浮いているギターが結構多いのですが、印象的なギターがあったので写真を載せておきます。

ほぼ全てのペグブッシュが浮いています。

ブッシュが浮いているところ

ブッシュ浮きが生じるプロセスにはいくつかパターンがあると思われます。

まずひとつめが弦の張力でペグポストがブッシュに強くあたることで、ブッシュが浮いてくるパターン。 浮いて斜めになったブッシュとペグポストのあたり方がきつくなってチューニングに影響が出ることがあります。

ブッシュと強く接触していなくても、ペグポストが傾くことでペグ内部ギアのかみ合わせがきつくなって動きがかたくなるなどの問題が生じることがあります。

また、ペグの取り付けネジ穴がずれていることで、ペグポストがブッシュに斜めにあたってブッシュ浮きが起こるパターンもあります。 この場合、そもそもブッシュとポストの当たり具合が良くない上、浮いたブッシュがその問題を複雑にすることもあるようです。

ブッシュとペグポストの摩擦が大きくなると、弦の張力がペグのギアまでしっかりかからなくなるので、ギアの遊び(バックラッシュとも言います)が顕著に感じられるようになり、弦を緩める方向で回したときにチューニングが追従しない違和感が増します。

こういう場合はネジ穴を埋めて取り付けをやり直す必要があります。

ネジ穴を開け直した写真がこちら。 元の穴を埋めた明るい色の木と新しくあけた穴がずれていますね。

ネジ穴を修正

取り付けをやり直しただけでチューニングがしやすくなりました。

ブッシュが浮いたまま使用を続けると、ブッシュとペグポスト双方のメッキがはがれて金属が錆びることで、さらに摩擦が増すという問題も生じます。

あとこれはまだハッキリしたことは分からないのですが、ブッシュ浮きを修正した結果、弦振動が良くなった気がするという感想を頂くことがあります。 どのくらいの寄与度があるのか分かりませんが、そういうことも大いに起こるのが楽器だとも思います。

いつも弾いているギターのブッシュは浮いていませんか?一度チェックしてみて下さい。