先日ヘッドホンアンプの前につないでみた、「エフェクターボード用に作った電源ノイズフィルタ」です。 コイルが電流の立ち上がりと下がりを妨げるからだと思うのですが、つなぐとわずかながら音がなまるのです。
アンプの基板上にも常識的な容量のコンデンサが乗っていますが、遠く離れたDCアダプターの出力についている半導体が、電流を出したり止めたりしているということの表れなのでしょう。
右側のコイルを1個バイパスしてみました。 かなりましにはなりますが、まだ何か違和感があります。 コイルの後に4×1000μF付いていますが、それでも高域が曇っているのは完全には直りませんね。 スイッチでコイルをバイパスすると何かが違います。 高域が作る横方向の広がりや、ハーとした残響感が狭くなります。
47μFを2個付けてみました。 スイッチを切り替えても違いが分かりにくくなりました。
丸ごと外すとどちらかというと低域が作っていた空間が失われます。 ということは4000μFは低音の押し出しをよくするような効果があるのではないでしょうか? コイルがあった方が、起動時にコンデンサを充電する突入電流が抑えられて良いのですが、間に半導体電源回路を入れてコイルをアンプ側から見えないようにしないと、音への影響が残りそうです。
小容量のコンデンサを入れて解決しないかも一応調べてみましょう。
0.1μFたち。 アンプまで遠いので全く効いていないのではないでしょうか(笑)
10μFたち。 やっているうちにだんだんよく分からなくなってきます。 写真は充電された電解コンデンサを右側の抵抗を通じてゆっくり放電しているところです。 そのままビニールケースに入れたらたぶんお互いの配線でショートして火花がたくさん出ると思います。
いろいろやってみて何となく分かったのはこういうことです。 電源にたとえば1000μF、10μF、1.0μFをそれぞれ10個ずつ入れて、充放電が大きくて早い電源にしてやれば、DCアダプターやレールスプリッターは直流を出して常にコンデンサ全体を充電していればいいだけに近くなるので、低コストで音のいいヘッドホンアンプができるのだと思います・・・と思いますが、
それは、もし針金が1本アンプ内部に紛れ込んだだけで、あちこちに存在するコンデンサにたまった電気が、極めて立ち上がりよくショートして火花が飛ぶ危険なアンプになりがちですし(それを建築現場ではスポット溶接機というのかもしれません苦笑)、電解コンデンサの数が増えるとその分だけ劣化したときに液漏れなどのトラブル確率も上がると思います。
なので、センタータップ付きトランスからプラスマイナス電源を作って、立ち上がりのいい半導体電源回路(普段は熱にしている電力を、必要に応じてアンプに送ることで、アンプの出力にかかわらず常に同じ電源電圧を保てるようなもの)を作って、必要にして十分な容量と個数に収めたデカップリングコンデンサで鳴らすという、いわゆる普通のパワーアンプの作り方が正しいということになりますね。
とは言え、この4×1000μFのついた状態は捨てがたい魅力があります。 DCアダプター直差しより好みです。 お作法上あまり良くないこととは分かりつつ、実験として電源コンデンサを並べたものを作ってみたくなりました。
10000μFクラスのブロック電解をドーンと詰んだヘッドホンアンプを作っている人もいますし、一度はコンデンサてんこ盛りの音を試したいですね。 そしてその音を覚えて、自分好みの半導体電源回路を作りましょう。
「絶対マネ禁止Headphones Welder(ヘッドホン溶接機)の試作」ですね。 さすがに一度秋月か千石で通販しないと部品がないです。 仕事で使う部品とまとめて注文するようにしましょう。
これらの実験は今後の商品製作になにか役立つことになるのでしょうか? とりあえず「キャパシ足りない」という謎のワードは生まれました。