一度弦を張ってみます。
特に1弦側をもっと下げたいです。
サドルが一番下まで下がっています。 ネックの下に入っている板を削って仕込み角を変えようと思います。
蓄光サイドポジションマーカーを3Φで入れていきます。 まずは3Φの凹みを作っていきます。
蓄光を埋め込みます。
研磨して仕上げます。
日中で部屋が暗くならないですが、ちゃんと光っています。
送って頂いたスペシャルです。
バダスブリッジとシャーラーロックピンに交換していきます。
今付いているバーブリッジです。
モントルーバダスではなく本家バダスなので弦高を下げるにはスタッドを今より下げることになります。 6弦側は大丈夫そうな気がします。
1弦側は今のブリッジでももう少し下げたいので、こっちが下がりきらない可能性があります。 下がらない場合はモントルーバダスにするかもしれないということなので、検証していきましょう。
できればチタンサドルにしたいということなのですが、取りあえずチタンサドルはPR-02のミリネジ用をKTSに特注できれば交換できそうな気がします。 バダスの製産時期(というより製産国)によっては穴がバラバラのものもあるようです。
もしこのバダスでも弦高が充分に下がりそうならKTSに相談してみましょう。
ストラップピンはできれば埋め戻したくないけれども必要なら埋めてもOKくらいに言われています。
で、弦を緩めてびっくりしたのですが、弦と一緒にナットが浮いてきました。 接着が剥がれているようです。
驚いたことに1弦と4弦が完全にかじりついて外れません。
ナットのサイドには塗装が乗っていないので、ギブソンの仕事ではなくて誰かリペアマンが作ったナットです。 .010~.046の弦が張られているので.009用に作ったナットだったのかも知れませんね。
にしても溝が深いですね。 弦の下半分だけが溝にはまっていて、そこから上は面取りして拡がるようにしておくくらいがいちばんスムースに動きつつ弦がナットから外れなくて良いと思うのですが、このナットの溝はUの字になって弦の直径の何倍もの深さまで入り込んでいます。 これは仮に.009のセットを張ってもチューニング時の反応が鈍くなると思いますね。
ちなみに.009~.046からのセットに張り替えるので、4弦は確実に引っかかりますね。 このギターはまずはナットを何とかしないとバダスブリッジで弦高が下がるかどうかを調べることができません。 ナットの元の接着がネックから浮いていたりすると、きちんと接着し直したら溝が沈んでしまって使えないなんていうことがざらにあります。
スタッドに付いているマスキングテープは、このままピラピラしていると塗装まで割れそうなので剥がしておきます。
ストラップピンを測ります。
ネック側は今の穴を活かして、少し深め、少し広めに調整したらそのまま使えそうです。 ネジピッチが違うので溝を埋める程度の接着剤補修だけしておきます。
エンドは何やら緩いです。
木くずになって拡がっていたようでネジが効きません。
こっちは一度埋めさせてもらうことにします。
3弦のペグが少し硬く感じるとのことですが、3連ペグの宿命というかブッシュへの当たり方が均等になりにくいようです。 分解して清掃とグリスアップだけしておきました。 これは異常ではないので、このまま使ってもらうことにしましょう。
ナットとエンドピンを見た感じ、他にも何か落とし穴がないか、裏パネルも一応開いて目視だけでもチェックしておいた方が良いかもしれません。
以前にもお預かりしたことがあるスペシャルです。
フルアップポットをノーマルポットに交換します。 フルアップとP-90の相性は良いのでまた付けるかも知れないそうですが、もう1本買ったスペシャルと音の違いを調べるためにノーマルポット同士で聞き比べしたいとのことでした。
楽器屋さんで調整してもらったというブリッジ部分。 斜めに付いています。 この調整をした店員さんローリングストーンズが好きなのではないでしょうか。
フルアップポットを外していきましょう。
もともと付いていたノーマルポットのハンダを掃除します。
交換が完了しました。
弦交換する前にフレットを磨きました。
弦交換をしてトレモロの調整をやり直しました。
追いグリスをしておきます。