明らかにペグポストの弦穴に発生しているバリが原因で弦が切れているので、一度バラして研磨します。 ドレメルのダイヤモンドビットで良いでしょう。
一番手前のものが良さそうです。
穴の左右、特に弦が巻き付くときに角になる側を重点的に研磨しました。
これで弦を張って様子を見ましょう。
同じ方からお預かりしているムスタングのスパーゼルも大丈夫かも調べます。
ナット溝を微妙に拡げていきます。 深さは変える必要がないので繊細な作業です。
サドルの方の溝も加工が必要ですね。
で、チューニングしようとしたら1弦が切れました。
ピンセットではない側が切れたところです。 山になっているところはペグのロック部分です。 ペグポストからナット側へ曲がろうとしているところで切れているのが分かりますね。
切れた弦の反対側がこちら。 やはり曲がったところで切れています。 切れた弦をよく見るのは原因究明のためにとても大切なことです。
ペグポストにあいた弦穴です。 この穴を加工したときのバリが出たままになっているのだと思います。 写真でも見て分かりますよね。
反対側。 やっぱり角が立っています。 ロックを緩めても中の弦押さえバーが下がらなくて弦を通しにくいものもあるのすが、それは内側にもバリが出ていてバーに引っかかっていると思われますよね。
メッキごと削るのは忍びないのですが面取りするしかないでしょう。 オーナー様の他のギターに付いているスパーゼルでは6弦が切れたということなので、プレーン弦側だけではなく6個とも外して全部丸めましょう(さすがに内側は削れないですが・・・)。
リッチーブラックモアモデルのストラトに取り付けたときにはギアのバックラッシュが大きいのが気になりましたし、今回のペグも取り付けていない状態で回しても巻き心地が重いところがありますし、近頃のスパーゼルは工場でも変わったのかな?というのが私の個人的な印象です。 次のロットで改善してくれると良いですね。