ビリつきの原因【ムスタングのチェック-1】

6弦がどうもしっくりこないというムスタングです。

ムスタング

6弦を鳴らした後に、しばらくしてから追いかけてくるようなビリ付きがあります。

これはベースの1弦にありがちな現象で、この楽器の個性かも知れません。 ボディやネックの共鳴の過程で弦とフレットが当たりやすい方向に振動がまとまっていってしまうのでしょう。

6弦がビリつく

このギターはテールピース部分を逆に付ける改造がしてありまして、弦がバーを直線的に抜けてくるようになっています。 (ちなみにブリッジも樹脂ブッシュを入れて固定してあります。)

結果として、サドルの上で弦が曲がる量が少なくなっています。 これによってサドルとテールピースの間へ弦の振動が逃げて鳴っています。 特に1弦、3弦、6弦が私は気になります。 ピックで軽く弾いても6弦と3弦は生音が混じって聞こえます。

これも弾いていて違和感がある原因かも知れません。

サドルよりテールピース側が鳴っている

サドルを押さえる方向の力がかかっていないので、1弦をチョーキングするとサドルの中心から持ち上がってしまいます。 ボーカルさんが弾くギターなので、チョーキングをあまりしないから問題ないのだと思いますが、今のセッティングは結構ぎりぎりで、弾き方を選ぶ状態なのだと思います。

チョーキングすると1弦が浮く

今のこのこだわり仕様を変えるわけにもいきませんし、ブリッジもベタ付けなので、シムでネックの仕込み角を変えるくらいしかできませんね。

でもおそらく、オーナーさまが気になっているのは、前述したほうのビリ付きだと思うので、無理にシムを入れる必要はないかもしれません。

今回、弦を太くすることになっていますので、そこで変化があることを期待したいですね。


整理整頓

しばらくは作業場の整理整頓に時間を使います。 ホコリを掃除するついでにいろいろなものにさわると、ドコに何があるか覚えて作業しやすくなりますね。

整理整頓

配線パーツを販売したくて試作していたものがたくさん出てきました。 今年はパーツの新製品をリリースしたいです。 JANコードを取りましょう。

 


ピックアップの取り付けと配線【ヒストリーのテレの配線改造-3】

ピックアップの取り付け位置を決めるためにテンプレートを作りました。

テンプレートを作る

キャビティの中にねじ穴の位置をけがきました。

位置決め

ネジ穴をあけます。

ネジ穴をあける

良い太さのネジを探します。 国産JBのピックアップネジがありました。 新型コロナの影響でインチネジがなかなかアメリカから輸入されない時期に、念のために買ってあったものが役に立ちそうです。

ネジ

ネジが長いので切りました

ネジをカットした

導電塗料どうしをつなぐアース周りの配線から終わらせます。

img_4785.jpg

ピックアップを取り付けます。

ピックアップの取り付け

元の配線をバラして、使うパーツを清掃します。

元の配線を分解

コントロールアッセンブリーを製作します。 スーパースイッチが付きます。 テレキャスター用にはこういうハンダ付けするところが内側を向いているものが必要になります。 外を向いているとキャビティの導電塗料とショートしますね。

アッセンブリーの製作

増設するピックアップの位相が他のピックアップと合うか調べます。 普通に白をホットにして位相が合うことが確かめられました。

位相の確認

ピックアップをつなぎます。

配線作業

音が出たり出なかったりしていたジャックはPURETONEに交換しました。 電気的な接点が多いのでバリバリいいにくそうでオススメしています。

左右からはさむだけでなく凹凸が付けられているのでホットもコールドも4点ずつくらいプラグに接触するように見えます。

PURETONEのジャック

これで完成です。 弦を交換したのでネックの変化を見てからお返ししましょう。

完成

音ですが、フロントとセンターのハーフトーンも、リアとセンターのハーフトーンも、センターがパラレルに入っている効果が薄いです。

ピックガードの下に入っているので、音を拾う力が少ないのでしょう。

発電しないコイルをホットからアースにつないでいるだけだという風にセンターピックアップを見立てた場合、どちらかというとローカットの方向に音が変わるはずですが、今回は高出力のピックアップを選んでいるのでコイル成分が大きく、そういうパッシブなトーン回路としても効きにくくて、結果としては音の変化が繊細なものになっているように思います。


リアピックアップのキャビティを掘る【2TSBのPBの組み込み-9】

リアJのキャビティを掘っていきましょう。 まずは位置を決めて角をドリルで加工します。

位置決め

4カ所、突きました。

角を決める

1対1のテンプレートを貼り付けます。

リアJのテンプレート

ベアリングビットで加工します。 掃除したばかりの集塵機がよく吸います。

ルーティング

ピックガードの加工に続きます。 トラスロッドの調整をするための溝を作ります。

トラスロッド調整溝を付けた

ピックアップの穴が狭いという問題もここで解決しましょう。 流通しているほとんどのPB用ガードはこの穴が小さいですね。

穴が1弦側にズレています。 これは組み込みの過程で私がセンターと決めたところがピックガードのセンターと微妙にズレているというのもありますが、型が違うというのもあるのでしょう。

1弦側に穴がずれている

拡げる過程で4弦側へ戻せるだけ戻しましょう。

テンプレートを貼った

角は手加工してカバーが通るようになりました。

ピックアップが入った

もう少し緩めでも良いくらいですね。 ここはキチキチにしすぎて良いことがあるわけではないでしょう。


集塵機パーツを丸洗い

集塵機の吸引力が落ちました。 ホースのつまりが原因でしたが、ついでなので丸ごと清掃です。

集塵機の清掃

うちは木工加工がそこまで多くはないので、このダブルサイクロンの集塵機(日動工業 爆吸クリーナー NVCーS35L)で十分ですね。