弦を張る【ネック折れ修理の実験-32】

弦を張る前にボディを掃除しました。

掃除

ついでにフレットを磨きました。

フレットを磨いた

ペグのネジ穴をあけました。

ネジ穴をあけた

ペグを付けます。

ペグを付けた

弦を張っていきましょう。 トラスロッドナットにグリスをさしておきました。

弦を張る

チューニングができました。 楽器として弾けるところまで戻りましたね。 問題なさそうです。 これで完成ですね。

弦を張れた

お預かりしたとき、ヘッド裏はこんな感じでした。

お預かりしたときのヘッド裏

修理が終わったところがこちら。

ヘッドの裏側

きれいに直すことができましたね。

ネック折れ修理は初めてやりましたけれど、新しい技術を習得することができましたし、とても上手くいきました。

年末に体調を崩してから仕事をセーブしてきましたが、ネック折れ修理やバインディング交換など、普段やったことがないことにしっかり時間をかけて取り組むことができて、実りの多い充電期間を過ごすことができたように思います。


オールフリーを買ってみた

先日、グリーンズフリーで初めてビールテイスト飲料をじっくり飲んでみたので違うのも買ってみました。

オールフリー買ってみた

こっちの方が好きかも知れません。 や、前回じっくり飲んだのが間違いだったのかも知れませんね。 ビールと同じでのどごしで飲むのが正しいのでしょう。


塗装の研磨【ネック折れ修理の実験-31】

塗装を磨いていきましょう。 まずは水研ぎから。

研磨

粗めのコンパウンドでペーパーサインを消していきます。

粗めのコンパウンド

さらに細かい番手のコンパウンドで磨きます。

細かいコンパウンド

ネックの塗装の仕上げができあがりました。 ヘッドの付け根に薄板を張り重ねたので、ペグポストが通る穴があいていません。 厳密に言うと表側はあいているのですが、裏側三分の一くらいが埋まっています。

ネックが磨けた

穴を貫通させました。

ペグの穴があいた

これでペグが付きますね。 あと少しで完成です。


指板が割れるメカニズム【本当にダメになってしまっているネックの研究-1】

これは数年前に、とある仲の良いお客さんがオークションで手に入れたというネックです。 あまりにも状態が悪いので所有権を放棄して帰られましたので、それからずっとうちにあります。

本当にダメになったネック

指板の表面がバッキリと割れています。 ネック材が柔らかくてトラスロッドナットがめり込んでいった結果、押しつぶされた木部が指板を持ち上げて割れるのです。

反った分を指板を削ることで無理やり修正しようとすると指板が薄くなって強度がなくなり、さらに割れやすくなります。

指板が割れている

ネック裏はこんな感じ。 スカンクストライプがないので、トラスロッドは表側から仕込まれています。

ネック裏

メイプルにメイプルが張られているので、境目がパッと見ただけでは、よくわかりません。

ナット部分

バインディングのラインがぼやけているので、指板を削ったあとに貼り直したような気配がありますね。

バインディング部分

ヒールはこんな感じ。 ネジ穴もダメになっていそうです。

ヒール部分

トラスロッドがめり込んだ分、スペーサーが入っています。 これがまたさらに木部をつぶしていくのでしょう。

こういうネックにはベンドロッドは向きません。 潰れて、反って、締めてを繰り返していつかは割れるだけでしょう。 2ウェイロッドとかチャンネルロッドといった構造のものに交換すれば何とかなるかも知れませんね。

ロッドナットを外したところ

どうなっているのか知りたくて、研究のためにバラします。 まずはフレットを抜きました。

フレットを抜いた

1フレットのブロックポジションマークを外しました。 ここも埋木の横が割れていますね。 そもそもこれはベンドロッドなのかどうかもよく分かりませんね。 ロッドのストッパー部分が出てくるのかと思ったのですが埋木は真っ直ぐです。

1フレットのポジションマークを抜いてみた

エンド側もマークを外しました。 埋木周辺から割れています。

ポジションマークを抜いてみた

バインディングを外した結果、指板は1弦側が多めに削られていることが分かってきました。

エンド側の指板の残り具合

サイドポジションマークの位置が変わっていますね。 上のマークの中央が指板の貼り付け層です。

1フレットの指板の残り具合

ナット付近の指板の貼り付けはこういうラインです。

ナット部分の指板の残り具合

これ、一度指板を剥がしてみたいですね。

こういう「ロッドトラブルでたたき売られてしまっているかわいそうなネック」たちをまた使えるようにできないものでしょうか。 ロッド入れ替えを練習するのもいいかもしれませんね。

木が柔らかいのは強度面で問題ですが、もうこれ以上地球の木を切れないようになってきていますし(ローズ材もきびしいですよね)、あるものを大事に使ってみるのも良いかもしれないという気持ちになってきているのです。

学生時代を共にしたグレコとかフェルナンデスとかも、復活させてまたガンガン鳴らしてほしいと思っているので、修理受け付けを再開したら押し入れから出してオーバーホールに持ってきて下さい。