電装系をオーバーホールする【フェンダーメキシコJMの修理-2】

ジャックが錆びているので、ハンダ付けしてあるところにミノムシクリップを付けて無理やりアンプにつないで音出ししていきましょう。 ポットは清掃して配線をやり直せばおそらく大丈夫です。 スイッチとジャックは交換することにします。

音出しをする

トーンのノブが取れないから、ハンダごてでポット側を暖めてから取りました。 接着剤が入っていますね。 ローレットシャフトのスリットが押しつぶされて止まらなくなったときの応急処置のようです。 ツマミだけ交換しましょう。 ポットのシャフトは修理できそうです。

ツマミが接着されていた

カビが付いていたピックガードは水拭きしたらきれいになりました。

ピックガードをきれいにしてみた

ポットは清掃します。 電話しながらずっとやっていたら明らかにやりすぎています(笑) 抵抗体を拭き取ったりスライダーの金属面を磨いたり、金属シャフトに導電性グリスを塗って金属製のツマミを回したときのパチパチを低減したりする作業をしています。

ポットの清掃

配線はこんな感じになりました。

配線をやり直した

スッキリしましたね。


修理方針を探る【フェンダーメキシコJMの修理-1】

メキシコ製のジャズマスターをお預かりしました。 しばらく弾いていなかったギターのメンテナンスです。 湿度の影響でサビやカビが発生しています。

フェンダーメキシコのジャズマスター

ジャックがさび付いていて音が出せません。 ボリュームが中のポットから回ってしまっていますね。

音が出ない

スイッチがおかしくなっています。 バチーンとリアに切り替わって戻りません。 修理しようとしても手応えが微妙になることがあるので、これだけ錆びているなら交換してしまった方が良いかもしれません。

スイッチが壊れている

持ち主の記憶ではプリセットトーンも調子が悪かったそうです。

プリセットトーン

ネックの状態を直したいので、まずネックを外します。 ボディ側にもネジが効いているパターンですね。 ここのネジはネックにだけ効いて欲しいので、拡げさせてもらいたいですね。

この穴は拡げたい

トラスロッドはほとんどフリーに近い状態でした。 少し締めたら良くなりそうです。 ロッドナットにグリスを塗っておきましょう。

ロッドナットのグリスアップ

ストラップピンが緩かったのですが、ここは締めたら良さそうです。

ストラップピンの増し締め

ピックガードのネジのさびがひどくて、固着しているところが1カ所ありました。 入手しやすいネジは交換してしまいましょう。

ネジが固着している

なんとか音出しチェックがしたいので、配線を丸ごと取り外します。

配線を外す

ボディ側です。 導電塗料がうっすら塗られています。 アースもつながっていますね。 ジャズベとかはリアピックアップキャビティのアースを取っていなかったりするメキシコフェンダーですが、ジャズマスターはキャビティがつながっているので問題なさそうです。

うっすらと導電塗料が塗られている

ボディマウントのピックアップも含めて配線を生け捕りにできました。 なんとか音出しチェックをしましょう。

ピックアップごと外した

フレットはあまり減っていないのですが、しいて言えば浮いているのが気になります。 1弦と6弦で弦高を決めようとすると、フレットの頂点のRがきつい分だけ4弦5弦辺りの弦高が低くなっているのが気になるかも知れません。

フレットが浮いている

今回のご予算もあるでしょうから、どこまで直すのが良いか相談しましょう。 電装系からやって、振動系は次回とするのもひとつの方法ですよね。


音出しチェック中に壊れたので修理しました【SansAMP GT2のメンテナンス-3】

音出しチェックをしていたらポットからカチッと音がしてツマミがグルグル回るようになってしまいました。 イコライザーのローのシャフトが伸びていますね。 直しましょう。

ポットが壊れた

ジャックのハンダを外して、それ以外の部品のナットを緩めると基板が取り出せます。

基板を外した

イコライザーはBAXタイプっぽいですね。 と思って海外のフォーラムにあった回路図を確認したらそうでした。 おそらく何かのBカーブですね。

BAXっぽい

赤いのが今回壊れたシャフトで、隣の黄色はハイのポットなのですが、そこだけハンダをやり直した形跡がありますね(ヤニが付いています)。 ここ、以前に同じように壊れて修理したということだと思います。 ポットの寿命だったということでしょう。 ライブの本番中に壊れなくて良かったです。

トレブルのツマミも交換した形跡がある

中の樹脂が劣化して割れています。 2番端子からつながっているブラシを支えている部品です。

ブラシを支える樹脂が割れた

たまたま同じ100kΩのBカーブを持っていたのでこれに交換します。

たまたま100kΩのBカーブがあった

ハンダ付けをして元に戻しました。 音出しも問題ありません。

交換できた

ここで気が付いたのが、抵抗が燃えていた原因です。 バッテリースナップの金属端子が接触したのではないでしょうか? このバッテリースナップは線の曲がり具合から推測して、元々あった写真の位置に収めておくのが良さそうです。

バッテリースナップの位置

これにて完成です。 おそらく同じように、GT2のポットがグルグル回るような壊れ方をしている人がいると思いますので、自分で交換できなくてお困りの方はお問い合わせフォームからご相談下さい。


ボリュームとジャックを交換してフレットのすり合わせ【Van Zandtテレの修理-2】

フレットをすり合わせしていきましょう。 ナットの弦溝が削れて深くなってきていてギリギリ1フレットより高いくらいなのですが、フレットを削ると少しはマシになると思います。

弦を張って、ギターを構えた角度のままフレットを削って頂点をそろえました(写真はそれが終わって机に置いたところ)。

フレットをすり合わせる

弦を外しました。 この固着した弦高調整ネジを外したいです。

さび付いたサドルのネジ

イモネジは交換しても良いですけれど、取りあえず回るようにだけしておきたいですね。 浸透性のオイルにつけ込んでしばらく放置しましょう。

潤滑油を浸透させる

ボリュームポットとジャックを取り外します。 ここは新品にすげ替えます。

ポットとジャックを外した

スイッチは接点を磨いておけば大丈夫だと思います。 レバー付近のさびが中に入り込んでいたのが良くなかったように見えたので、そこも掃除しておきました。

端子を磨く

ピンセットでつかんでいる黒い線を足しました。 ナットが緩むとボリュームが効かなくなる仕様だったので、電線でアース電位を引っ張りました。 トラブルが少なくなって良いと思います。

アース線を追加しておく

配線を戻しました。

配線が完了

フレットを磨いていきましょう。

フレットを磨く

ピカピカに仕上がりました。

フレットが仕上がった

取りあえずネックを戻しました。

ネックを付けた

あとはサドル次第ですね。 イモネジ、きれいに取れると良いですね。


配線作業を開始【ヘイマーの配線修理-4】

ポットやスイッチを取り外しました。 コンパウンドを拭き取っておきます。

分解

ポットとスイッチを取り付けました。

ポットを装着

アース周りから配線します。

アース周りの配線

ピックアップの配線とプリアンプのトレブル・ベースの配線をつなぎます。 ここは左利き用から右利き用にするためにポットの1番と3番を入れ替えてあります。

ピックアップとイコライザーを配線

スイッチは斜めになっているので、配線を入れ替えても入れ替えなくても直感的に使えそうです。 配線の長さの問題もあるのであえてそのままにしました。

次は電池です。