ウィル・リーモデルです。 問題のトレブルツマミが軽すぎるポット。 まずは配線を外してポットを取り出します。 オレンジが2本あるので気を付けましょう。 一番上の黒はポットのアースで外来ノイズ対策ですね。
関係ないですが、このアースラグの部分がカッコいいと思いました。 ひとつずつバラすことができて修理しやすいのかも知れません。 私は先にアース周りを済ませてポットより奥のレイヤーに線を持っていくことで、信号線の配線作業中にハンダごてが入りやすいようにしているので、このままマネすることはないと思うのですが、これはこれで美しいですね。 さすがサドウスキー。
ポットが交換できるかどうか調べます。 上段が23kΩ。
下段も同様です。
センターの位置で1番から3.6kΩということはおそらくAカーブですね。 25kΩでAカーブでセンタークリック無しのスタックポットですね。 交換部品はおそらくないでしょう。 モントルーの50kΩのBに抵抗を並列に入れてもセンターでの値は違ってくるでしょうし、センタークリック付きになってしまいます。
交換はあきらめたので、ポットの方を何とかしてみることにしました。 ここにグリスが見えます。 このグリスの粘度を上げてしまうとベースツマミを回したときにトレブルが付いてきてしまいますね。 なのでこれは却下です。
おそらくこっち側に高粘度のグリスを入れられればトルク感を変えることができますね。 分解しましょう。
ピンセットの先にある段差の辺りに高粘度のグリスを塗ってみます。
ストラトツマミのレリック作業のためにシャフトを部品取りしたり、基板部分だけを部品取りしたあとに残っていたCTSポットのケースがありました。 流通しているカスタムCTSポットのグリスはかなり硬いので、この通称「どろり濃厚ピーチ味(飲んではいけない)」を移植していきます。
そして組み直しました。
配線を戻していきます。
ボリュームつまみよりは軽めですが、トーンのスイッチ付きポットと同じくらいのトルク感になりました。
ツマミの向きのお好みを確認してから仕上げましょう。 楽器をお送り頂くにあたって、もしかしたらお預かりしてもどうしようもないという可能性があったので、何とかなって良かったです。