弦が落ち着いたので、お返しする前に微調整しておきます。
ナット溝にトルク調整剤を薄く塗って滑りを良くしておきます。
浮いていた最終フレットを一度抜きました。 このフレットは、フレットが浮いた状態のまますり合わせされていると思います。 フレットが浮いてきたと言うよりは、ネックの順反りがひどくなるにつれて、ブリッジを下げていくことになって、ここにあたるようになったというのが実体ではないでしょうか。
フレットを曲げ直して打ち直しました。 溝が緩くなっているので、低粘度の接着剤を流して応急処置しておきます。 フレット交換の際に本格的に直すことになります。
これで問題ないと思います。
12フレットが312mmくらいだとして・・・
1弦はその倍624から1mmくらいうしろに来るとして625mmあたり。 実際にオクターブ調整するとその当たりにサドルが来ます。 ブリッジのスタッドの位置ですけれど、もう2mmくらいうしろでも良かったかも知れませんね。 一応調整の範囲には入っているので問題ないですし、サドルを裏返すという手もまだあるのですが。
こっちもギリギリですが問題にはなっていないようです。 以前お預かりした時に4弦のサドルを裏返しているみたいです。
2弦の高いF#にABR-1が共鳴して異音を放っていたのでスタッドに低粘度のネジロックを注したら止まりました。
他のABR-1でも似た現象が起こっていないか、今後気にしてみましょう。
ストラップピンはネジ穴を補強して、クッションを追加しておきました。
ジャックはまだ大丈夫そうですが、湿度の影響を心配されていましたので清掃しておきます。
ナット溝にグリスを追加しておきます。
これで完成です。
SonicのOC-223(左)とScud CR-022OIL(右)です。 書いてある表示は全く同じですけれど、製作しているヒグチさんとしては同じものという認識なのでしょうか。 右の方が平べったいです。
HGC.(ヒグチ)、DUシリーズ、630V耐圧、0.022μF、許容誤差20%、おそらくロット番号、という並びになっています。
同じくScudのビタミンQ表記のものも並べてみました。 これも形が違います。
全部計測してみたのですが、どれも0.020~0.022μF。 SonicのOC-223は誤差の小さいものだけをパッケージした商品なので容量が正確です。
ESR(等価直列抵抗)は31~45Ωくらい、ESL(等価直列インダクタンス)は1kHzで1170~1252mHと出てきます。 1H? 私が測り方を間違えている可能性が高いですね・・・ただそうだとしても全部同じくらいの値で区別が付きません・・・。
これ↓と特性が似ていて困りました。 ただこちらはリードが磁石にくっつくという違いがありました。
一緒に測ったSHIZUKIの卵焼き↓はESRもESLもほぼないくらいすごく小さい値がでます。 このモデルはリードが磁石にくっつきましたけれどスピーカーネットワークにに使われているのを見かけます。 磁性体リードでもコイル成分がほぼ計測されないのならそれでいいですよね。 回路図通りになる純粋なコンデンサです。
ちなみにオイルコンデンサは経年変化で1.5倍くらい容量が増えていることがあるので、それに関しては当たり前ですがはっきりと音の違いになって表れます。 ESRが大きいということはトーンポットを絞りきれないことと同じなので、これも絞ったときの音に影響があるはずです。
コンデンサ成分以外の混じりけがあるのがオイルコンの面白さなのでしょう。 ピュアオーディオでは問題になるのかも知れませんが、一部の真空管オーディオを含めて「自分だけの個性的な楽器を作る」という楽しみには欠かせないスパイスということになりそうです。
ちなみに配線はこんな感じになりました↓