フレットを一度抜いて打ち直した【Tak matsumotoモデルのフレット浮き修正-3】

浮いていた最終フレットを一度抜きました。 このフレットは、フレットが浮いた状態のまますり合わせされていると思います。 フレットが浮いてきたと言うよりは、ネックの順反りがひどくなるにつれて、ブリッジを下げていくことになって、ここにあたるようになったというのが実体ではないでしょうか。

フレットが浮いたまま削られている

フレットを曲げ直して打ち直しました。 溝が緩くなっているので、低粘度の接着剤を流して応急処置しておきます。 フレット交換の際に本格的に直すことになります。

問題なさそう

これで問題ないと思います。

打ち直した

12フレットが312mmくらいだとして・・・

12フレット部分

1弦はその倍624から1mmくらいうしろに来るとして625mmあたり。 実際にオクターブ調整するとその当たりにサドルが来ます。 ブリッジのスタッドの位置ですけれど、もう2mmくらいうしろでも良かったかも知れませんね。 一応調整の範囲には入っているので問題ないですし、サドルを裏返すという手もまだあるのですが。

1弦のサドルの位置

こっちもギリギリですが問題にはなっていないようです。 以前お預かりした時に4弦のサドルを裏返しているみたいです。

6弦のサドル

2弦の高いF#にABR-1が共鳴して異音を放っていたのでスタッドに低粘度のネジロックを注したら止まりました。

ネジロック

他のABR-1でも似た現象が起こっていないか、今後気にしてみましょう。

ストラップピンはネジ穴を補強して、クッションを追加しておきました。

補強とクッションの追加

ジャックはまだ大丈夫そうですが、湿度の影響を心配されていましたので清掃しておきます。

ジャックの清掃

ナット溝にグリスを追加しておきます。

ナット溝に追いグリス

これで完成です。


オイルコンデンサを測ってみた【スペシャル(20240921お預かり-1)の部品交換-7】

SonicのOC-223(左)とScud CR-022OIL(右)です。 書いてある表示は全く同じですけれど、製作しているヒグチさんとしては同じものという認識なのでしょうか。 右の方が平べったいです。

HGC.(ヒグチ)、DUシリーズ、630V耐圧、0.022μF、許容誤差20%、おそらくロット番号、という並びになっています。

Sonic OC-223とScud CR-022OIL

同じくScudのビタミンQ表記のものも並べてみました。 これも形が違います。

Sonic OC-223とScud CR-022VQ

全部計測してみたのですが、どれも0.020~0.022μF。 SonicのOC-223は誤差の小さいものだけをパッケージした商品なので容量が正確です。

ESR(等価直列抵抗)は31~45Ωくらい、ESL(等価直列インダクタンス)は1kHzで1170~1252mHと出てきます。 1H? 私が測り方を間違えている可能性が高いですね・・・ただそうだとしても全部同じくらいの値で区別が付きません・・・。

これ↓と特性が似ていて困りました。 ただこちらはリードが磁石にくっつくという違いがありました。

フィルムコン

一緒に測ったSHIZUKIの卵焼き↓はESRもESLもほぼないくらいすごく小さい値がでます。 このモデルはリードが磁石にくっつきましたけれどスピーカーネットワークにに使われているのを見かけます。 磁性体リードでもコイル成分がほぼ計測されないのならそれでいいですよね。 回路図通りになる純粋なコンデンサです。

Sizukiのたまごやき

ちなみにオイルコンデンサは経年変化で1.5倍くらい容量が増えていることがあるので、それに関しては当たり前ですがはっきりと音の違いになって表れます。 ESRが大きいということはトーンポットを絞りきれないことと同じなので、これも絞ったときの音に影響があるはずです。

コンデンサ成分以外の混じりけがあるのがオイルコンの面白さなのでしょう。 ピュアオーディオでは問題になるのかも知れませんが、一部の真空管オーディオを含めて「自分だけの個性的な楽器を作る」という楽しみには欠かせないスパイスということになりそうです。

ちなみに配線はこんな感じになりました↓

配線した