剥がれかけていたヘッド面の板を接着したので、はみ出たところを掃除します。
ヘッド面を2000番で研磨して半つや消しにしました。
1弦解放は弦溝が深くなって1フレットと近くなっていることが原因だったようで、応急処置でかさ上げしたら良くなりました。 オーナー様としてもOKだそうです。
逆に今度は3弦の開放がシャラーンとした倍音が少ないことが気になりだしたそうです。 ストラトやテレキャスターでよく見ますが3弦解放にきらめき感がないギターってよくありますよね。
弦をサドルやナットの溝から持ち上げても、チューニングをレギュラーにしてもヘッドにオモリを付けても変わらないのでフレットのすり合わせやナット交換のときに良くなることがあるかもしれませんが、特に解決する方法は今のところ見つかりませんでした。
3弦ってベースもギターも鬼門ですよね。フェンダー型のベースの場合、ナット上で角度がつきにくくて、巻き回数が少ないとヘッド側へ振動が逃げがちです。
ギターの場合、一番太いプレーン弦なわけですが、仕様としてギリギリなのかも知れませんね。 サドルやナット上で角度が付きすぎるとその太さ故に曲がりきれなくて3弦だけ弦高が上がるというアンバランスも起きやすいです。
うちにあったバーブリッジを付けてみました。 やはり1弦解放の音の感じはそんなに変わりません。
1弦のナット溝を応急修理してどのくらい変わるかオーナー様に弾いてもらいましょう。
炭酸カルシウムの粉で埋めます。
これで適切な隙間ができました。
もともとこのネックはローポジションから先にロッドが効いていく傾向がややあるので、ハイポジションの順反りを直しすぎるとローポジションの弦とフレットの隙間が狭くなることになります。
ネックの微妙な反り、微妙なフレットの頂点の不揃いさ、ナットの弦溝のアンバランスな減り。 全部気にするほどでもない軽度なものですが、弦高を下げていくと気になるという感じかも知れませんね。
応急処置で一度弾いてみてもらって、ゆくゆくフレットのすり合わせやナット交換などをするときに備えて、参考にしていただきましょう。