マグネットを交換して完成した【P-90タイプのピックアップを製作する-11】

トーカイに登載できるようにミリ規格のボビンで巻いたピックアップを、ヒスコレのスペシャルから持ち替えたときに違和感がない音色と音量に調整するために、マグネットを交換します。

問屋さんがお盆休みなのでサウンドハウスから買いました。 で、プチプチ封筒をあけて、パッケージを開いた瞬間・・・

パッケージを開けた瞬間に折れた

1個折れました・・・これは返品交換を言いだしづらい(苦笑) 今回は磁力が近い他のものを混ぜて実験します。 マグネット交換しました。

マグネットを交換した

たまたま今98ヒスコレと02ヒスコレをお預かりしていますので、フレットすり合わせして新しい弦に張り替える前の02に登載させてもらって弾き比べました。 マグネット4個中1個の違いやターン数を100~200ターン詰め切れていなかったことなどわずかな違いはあるものの、ポールピースの調整次第で聞き分けが付かないレベルに追い込むことができました。

音出しチェック

と言いつつも、トーカイに載せる場合はフロントをあえてそのままにしておいた方がそれっぽいという裏技が発見されているので、リアだけこれに変えてみるのが良いのではないかと思いますね。

トーカイのスペシャルに載っているOLD-1は倍音が美しいピックアップですが、泥臭さがなくて、フロントとリアに両方同じものを付けると、持ち前のネックコンディションの良さも相まってスッキリしすぎというかP-90らしさが物足りない薄味になりがちなのだと思います。

今回の夏休みの自由研究は、とても良い勉強になりました。 結論めいたものが出たので、お預かりしているギターを仕上げてなるべく早くお返ししましょう。


磁力を測る【P-90タイプのピックアップを製作する-9】

コイルの種類、直流抵抗値、インダクタンスをピッタリ合わせたコイルを作ってみたわけですが、今お預かりしている98年製のヒスコレのスペシャルと比べるとかなり出力が違います。 マグネットが違っているようです。 P-90オタクの人から聞いたマグネットと実際使われているものは違うようです。 比較的お手軽なお値段のガウスメーターを買いました。

磁力が一番強い、端にあるポールピースを裏側から測って比較しました。 トーカイに付いているもの。

磁力を測る

レギュラーラインのP-90 。 これは同じマグネットです。

磁力を測る

ヒスコレP-90。

磁力を測る

今回作ったものは明らかに磁力が弱いです。

磁力を測る

アルニコ5。

磁力を測る

アルニコ2。

磁力を測る

アルニコ3。

磁力を測る

なんとなく分かってきました。


ワックスポッティングした【P-90タイプのピックアップを製作する-8】

ハウリングしないようにコイルをワックスに漬け込みました。

ワックスポッティング

抵抗値やインダクタンスは目標に近い値になりました。

計測

このあとバンプ好きなお客さんと6時間くらいP-90についてあれこれ試したのですが、トーカイのスペシャルはフロントをあえてそのままにして、リアだけヒスコレに近い値のものに交換するとCDに近い音になることが分かりました。 

トーカイに載っているピックアップは控えめなターン数のコイルで倍音多めなバランスにしていて、それを強いマグネットで音量補正したような作りになっています。

リアを交換して太めにすると「ブリン」が出てきて、フロントの「ザリン」とミックスしたときの音からクランチを作ると良いようです。 ただこれをすると、フロント単体とリア単体では音のニュアンスが遠くなって切り替えて使う人には違和感がある可能性もあります。