高すぎる弦高を下げたい!【フェンダーメキシコストラトの修理-1】

フェンダーメキシコのストラトをお預かりしました。すごく弦高が高くて弾きにくいとのことです。

eBayで落札したネックに交換されているそうです。工場上がりの流出品といった感じのネックで、まだこのボディとひとつの楽器になっていませんね。ボディはボディ、ネックはネックといった感じです。

ストラト全体写真

まずナットが粗加工のままで、フレットの頂点と全く関係のない高さになったままですね。形状の加工や溝の加工が必要です。

ナット部

かなり弦高が高いにもかかわらず、ハイポジションの順反りが強くて、ハイポジションでのチョーキングで音が詰まってしまいます。部分的なヒーター修正の必要があります。

ネックのハイポジション部分

それにしてもサドルが一番下まで下がっているのが気になります。もうこれ以上サドルが下がらないのに弦高はかなり高いです。ナット溝を削ったとしても全く足りません。ハイポジションの起き上がりをヒーター修正してもどうかといったところ。

サドルが下がりきっています

しばらくチェックしていてその理由が分かりました。ネックがちゃんと付いていませんね。かなり起き上がった状態でネジ止めされています。

ネックが浮いています

これで弦の張力がかかっているので怖いですね。ポロッとネックが取れることはないと思いますが。

さらにさかのぼってネックがこんな風に付いている原因を調べましょう。

 

 


ギターをチェックしましょう【レスポールスペシャルのブリッジ交換-2 】

コントロールパネルを開けて配線部分もチェックしてみました。今回は手を入れる必要はなさそうですね。

レスポールスペシャル配線部

たまにカラカラ音がするのでよく見たらメッキ線の切れ端が出てきました。開けてみて良かったですね。

お掃除

ちなみに2014年モデルの裏蓋にはこんなメダルが付いています。カッコいいです。

トグルスイッチキャビティのふた

アンカー部はいつものマスキングテープが付いたままです。アンカーを出し入れするに当たってぺらぺらひっかかるので丁寧に剥がしましょう。

トグルスイッチ部1

こんな感じになりました。

トグルスイッチ部2

続いてフレットのクリーニングもしました。ピカピカです。

img_2393-1.jpg

ではさっそくブリッジを交換していきましょう。


マニアックなベーシスト会【テーマ=低音にまつわる位相問題】

しばらくぶりなお友達ベーシストから急に電話がかかってきて、ベーシスト飲み会になりました。

テーマがマニアックで、低音の位相問題でした。低音は周波数が低いがゆえに位相がずれると打ち消し合ってしまって音が弱くなってしまう問題が起こりがちです。

ベーシスト会

「ステージの中音(なかおと)と外音(そとおと)の位相がずれることがあるから中音は小さめが良いのでは?海外のミュージシャンの方が中が小さい傾向がある」

「コーラスマイクから入ってPAから出るベース音はアンプと位相が違っている。ライブを見ていると、ある音だけが音が消えるベーシストがいるけれど、ベース単体のデッドポイントではなくこれらの位相問題や会場の共鳴とも関係があるのでは?」

「中音が良い日はたいてい外音の評判が悪いというボーカルあるあるも位相問題か?」

「ピックアップを180°反対に付けてもピックアップの位相は変わらないということは、ピック弾き時のアップ・ピッキングorダウン・ピッキングでも位相は変わらないのか?」

「歪みチャンネルにすると音がこもるギターアンプは裏側にマイキングすると良い場合があるが、位相が逆になるから裏側から良い音が出るという説明は嘘じゃないか?では増幅段を追加してさらに逆相にすれば表から良い音がするなんてことがあるのか?」

「位相を反転するエフェクターで音が変わるのは、トゥルーバイパスとバッファードの違いや、オペアンプの音が加わるからであって、他の楽器と合わせずに単体で鳴らしたのでは聞き分けが付かないのではないか?」

「常にバッファードになってトランスでコールドをアースと分離して入れ替えたらどうか。またはギターそのものをキャノン出しにして、パッシブで機械スイッチ的に位相を変えた場合どうなるか」

そんなことを真剣に話していたら3時間くらい経っていました。今後これらを検証していきましょう。とても勉強になりました。まだまだ音は謎がいっぱいです。


べっ甲ピックガードをカッコよく削る方法【1960風レリックJBの製作-1】

ずいぶん前に入手したモントルーのリアルセルロイドピックガードです。これを使おうと思うのですが、もう少しエッジがとがっている方がそれっぽいのでスクレーパーで削ってみようと思います。

リアルセルロイドJBピックガード

特に角の先はニュアンスが出るのでヴィンテージの写真を見ながら丁寧に形を出していきましょう。

面取り角を調整

作業をしていて気がついたのですがどうやら書き順ならぬ欠き順みたいなものがあるようです。黒の層が描くラインを大切に作業します。

スクレーパー作業の順番

かなりそれっぽくなりましたね。

ピックガードのエッジ部

「もっと赤みが飛んでオレンジっぽくならないかな」とか「もっと反ればそれっぽいのに」とか思うので、これをしばらく屋外で日に当ててみようかと思います!