埋木加工を進める【レスポールのネック修理-14】

めり込んだトラスロッドナットが押しつぶして割れてしまった部分を除去したので、その部分を埋めていきます。

基本的には補強目的でメイプル材で埋めようと思うのですが、1弦側にはみ出た部分はややこしいのでマホ突き板で埋めておきます。 埋めやすいように角を作るように掘り広げました。

直線的に掘り広げる

突き板4枚で埋めました。 接着剤が間に入ることで元よりは硬いです。

突き板で埋める

半月板付近は円柱状に切り出したメイプルのプラグを成形して使います。

半月板付近をメイプルで埋める

マホ突き板をノミで真っ直ぐに仕上げたところ。

突き板を平らに削る

残った消しゴムくらいの大きさのくぼみはメイプルで埋めます。 トリマー治具を作りましょう。

その後ベンドロッドの溝を埋めて、新しいトラスロッド溝を掘り直します。 戦線が拡大していくばかりだったこのネックですが、修理方針がやっと収束過程に入ったような気がしていています。 ここまで手間をかけたからにはバッチリ弾きやすくしてお返ししたいです。


蓄光ポジションマークの埋め込み

ポジションマークを蓄光に交換するネックが2本きました。 ESPのオリジナル仕様ベースですね。 PPJとか美しすぎます。

ポジションマークを蓄光にする

マークを抜き取ります。 古いマークはドリルで粉にするしかありません。 その後で、木で埋めてから新しいマークの穴をあけます。

元のポジションマークを掘り出す

今回はお客さまのご要望で、蓄光部分が3ミリ径で、外周の黒ワクが4ミリ径になっています。

蓄光3ミリ外枠4ミリの蓄光ポジションマーク

4ミリ径のくぼみをドリルで掘ってマークを埋め込んでいきます。

マークの埋め込み

2本同時進行で作業しました。

2本同時進行

集中力を使う作業ですので、さすがに2本やるとドッと疲れますね(笑)


蓄光ポジションマークの研究

蓄光ポジションマークの試作をして、どんなバリエーションが可能か研究してみました。

左から、蓄光2ミリ外周3ミリ。 蓄光2ミリ外周4ミリ。 蓄光3ミリ外周4ミリ。 蓄光3ミリ外周5ミリ。

蓄光ポジションマークの試作

今まで外周3ミリまでしか加工したことがないので、いらないネックで加工してみます。  と言うのも、外周が大きくなるとネックのカーブにかかるので木工が危険になるからです。

いらないネックで加工を試してみる

今回は塗装が関係ないようなネックなので何とかなりましたが、5ミリの穴をキレイに開けるのは難しそうですね。

なので、内径2ミリ外径4ミリが見やすさの限界かもしれません。 写真で言うと左側がそれに当たります。

5ミリ径は木工が苦しい

「多少は失敗しても怒らないから、とにかくマークを大きくしてくれ!」ということであれば外径5ミリにチャレンジできるくらいの感じですね。


塗装をはがすレリック加工【フレットレスJBの組み込み-22】

塗装をはがしていきます。 あらかじめはがすところを決めて密着不良させてあるので狙い通りにはがれます。

表側はフェンダーベースオーソリティのP.022下段のJBが見本です。

塗装をはがすレリック加工

裏側はフェンダーベースオーソリティのP.046。

塗装をはがすレリック加工

打コンは少なめが良いということなので、あっさり目になっています。 肘のあたりだけもう少し擦れたあとをつけようかと思います。